映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「チャンネルはそのまま! 1」 佐々木倫子

2009年02月14日 | コミックス
チャンネルはそのまま! 1―HHTV北海道★テレビ (1) (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
佐々木 倫子
小学館

このアイテムの詳細を見る

「動物のお医者さん」以来、佐々木倫子さんは大好きで、
本はそのつど全部買っていると思います。
「おたんこナース」、「Heaven?」に続く職業・・・というより業界シリーズかな?
これはテレビ局が舞台です。
主人公雪丸花子は、札幌のローカルテレビ局、北海道☆(ホシ)テレビに入社。
報道部に配置される。
しかし、これがなんと、本人は知らぬことながら、謎の採用枠「バカ枠」で採用されたという・・・。


以前にこんな話を聞いたことがあるんですよ。
組織における人の構成割合として、最良なのは、
全体を10として、優秀3:普通4:おバカ3。
これが5人グループだと
すごく素敵1人、まあまあ3人、トホホ・・・1人。
・・・って、あなたならどのグループの誰を連想しますか?
おっと、それは話が別ですが、
とにかく優秀な人ばかりが集まればうまくいくかというと、
そうではない、というのは真実のような気がするんですね。

そこで、この「バカ枠」ですが、
何も本当に頭が悪いというのではなくて、
なんだか規格はずれ、というか変わっているというか、思考や行動が普通じゃない。
まあ、大抵はピンボケであり、ドジであるわけですが、
時としてこれが思わぬ好展開を見せる。
そんな役回りの雪丸さんです。

先日「就活のバカヤロー」などという本を読んだので、
つい気になってしまうのですが、
会社などの採用試験で、本当にこんな風にわざと規格はずれを採用することなんてあるのでしょうか?
・・・それとも、優秀を採用したはずなのに、いざ使ってみたらおバカだった・・・。
そんなことのほうが多そうですね・・・。
いえ、それは結局、この「人物構成割合論」から行くと、成功というわけですよ。
そう思ったほうがいい。


話を戻しまして、さらにこのストーリー中では、
こういう人物がいると、なぜかそれをカバーする役回りの人が出てくるというのです。
それが彼女と同期採用の、山根くん。
彼は入社試験のときから、雪丸を見て、
こんなバカが採用になるわけがない、と思うのですが、
なぜか生き残って採用になっている。
こんなヤツと係りたくない・・・と思いつつ、
なぜか巻き込まれ、かかわってしまう、
クールに見えて実はお人よしの山根くんなのでした。

これら、人物が織り成す、リアルな業界コメディーコミック。
かなり地元びいきなのかも知れませんが、やっぱり面白い!

満足度★★★★☆