映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

7つの贈り物

2009年02月27日 | 映画(な行)
彼が7人に贈ろうとしている物とは・・・

           * * * * * * * * 

ベン・トーマス(ウィル・スミス)は、7人の名前のリストを持っています。
彼はこの7人それぞれに近づき、彼らの人生を調べ始める。
そうして彼らの運命を変える贈り物を渡そうとしている。
一体どうして、そして何を・・・・?
作品中も、これは最後まで明かせられないので、
なにやら状況がわからないままストーリーは進んでいきます。
そして、ラストですべてが明かされたとき、
私たちは深い感動に包まれる・・・・はず・・・(?!)


はい、確かに、ちょっと泣かされもしたのですが、何かイマイチの感も。
ここには陽気で屈託のないウィル・スミスはいません。
終始、苦悩をたたえた表情。
テーマは「贖罪」といっていいものなんですが、
どうも、わざとらしい偽善のようなにおいがしてしまう。
本当にこのような覚悟を決めた人なら、
もっと人知れずそれをするのではないだろうか・・・などとも思えてきて。

これは「幸せのちから」と同じ監督なんですね。
確かに、あれもシリアスなウィル・スミスでしたが、
あちらにはどん底から這い上がる!という強い決意、生きる意欲がありました。
だから映画にも力がある。
こちらはちょっと、「結末の驚き」にのみ力が入ってしまって、
ただ、それを仕掛けるためのストーリーになってしまったようです。
いっそ、彼の持ち味で、
おちゃらけて、どこまで真面目なのかふざけてるのかわかんない、
というようなキャラの方が、良かったのではないかと思います。
どうも、あのわざととらしく沈んだウィル・スミスには、
魅力を感じられない・・・。


クラゲがぱふぱふ水の中に浮いているのを眺めるのは、私も大好きなんですよ。
しかし、美しいものには毒があるのか・・・。
なぜそんなクラゲを飼い始めたたのか。
一つのヒントです。

2008年/アメリカ/123分
監督:ガブリエレ・ムッチーノ
出演:ウィル・スミス、ロザリオ・ドーソン、ウディ・ハレルソン、バリー・ペッパー

2/21公開『7つの贈り物』予告編