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恋焦がれるあまりの女の嘘に翻弄されて・・・
* * * * * * * *
ちょっぴりスリリングなラブ・サスペンス。
主人公マックス(ヴァンサン・カッセル)は、
昔付き合っていた彼女、リザ(モニカ・ベルッチ)が忘れられない。
リザはなぜか2年前突然姿を消したきりになっていた。
マックスはその後ニューヨークへ渡っていた。
パリへ戻り、婚約者もいるマックスだが、
ある日、カフェでリザを見かけ、ますますその思いが募る。
やっとリザの住んでいるアパートを探し当てていってみると、
なんとそこにいたのは全くの別人だが、彼女も「リザ」と名乗る。
初めから、見かけた相手を間違っていたのか・・・?
しかし、実はその「リザ」と名乗る女性は、
マックスの友人リュシアン(ジャン・フィリップ・エコフェ)の彼女アリスだということがわかってくる。
込みいった人物関係と、際どいすれ違い劇。
いったいどうしてこのような不思議な状況に陥っているのか・・・。
切ないラブストーリーでありつつ、サスペンス的要素を持たせ、
目が離せない展開となっています。
つまりは、女性のあまりにも思いつめた恋心が作り出した嘘。
しかし、このことはそれぞれの人物の運命を少しずつ狂わせて行くことになるのです。
・・・けれど、問題の根っこは、どうもマックスの不実な心にあるように思えるんですね。
そういう、一見情熱的で誠実風な男、
しかし深いところでは単に移り気で状況に流されるだけ
・・・というしょうもない感じを、さすがヴァンサン・カッセル、うまいですね。
そして、嘘に嘘を重ねる自分自身を哀れと解っていながら、
やめることができないアリス。
この女の切なさ、怖さもたっぷりでした。
でも、この映画は全く雰囲気を変えて、ドタバタコメディに仕立てても面白いと思うんですよね。
そういう、あまりにもわざとらしいすれ違いなんかもあったりするので。
こうなった時の、マックスとリュシアンの会話などはかなり笑えるものになりますよ。
マックスのいう「変な女」とリュシアンの彼女が同一人物とは知らず、続く会話・・・。
そういう描き方もありかなあ・・・なんて想像してしまいました。
しかし、本編はあくまでもシリアスで、かなり皮肉な結末となっています。
同じ題名の韓国のホラー作品がありますので、お間違えなきよう・・・。
1996年/フランス・イタリア/111分
監督:ジル・ミモーニ
出演:ロマーヌ・ボーランジェ、ヴァンサン・カッセル、モニカ・ベルッチ、ジャン・フィリップ・エコフェ