ステージおきたま

無農薬百姓33年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

舞台はやっぱり立ち姿!

2018-09-03 09:11:56 | 地域文化

 藤柳美香次さん一門の発表会に出かけた。てへへ、慣れない花束なんて抱えてね。それも二つもだよ。美香次さんにはお世話になってるからねぇ。前回の『予兆 女たちの昭和序奏』じゃ、劇団の若手をとことん指導してもらって、その上、着物は貸してもらうわ、本番は着付けで裏に入ってもらうわ、うわー、お師匠さんが!申し訳ない!ってほどバックアップをしていただいた。だが、花束はその御礼、ってばかりじゃない。ファンだからだ。その艶やかな舞姿に届けたいと思って用意した花束だ。もう一つは、春から入門した菜の花座の人気女優Hに初舞台のお祝いだ。

 門弟14人ほどと、指導する他団体、大黒舞のグループなど総勢30名を超す出演者が繰り広げるボリュームたっぷりの発表会だった。小学生からお年寄りまで、あっ、いやほとんどシニアだけど、日ごろの田舎のおばちゃんたちとは思えぬ華やかな舞姿を披露してくれていた。

 次々登場する踊り手を見ながら感じたのは、いやぁ、衣装に金かかってるなぁ!って下司な感想。あれ、自前か?借りものか?万か?ん十万か?公演のたびに古着屋飛び回ってる菜の花座とは別世界だ。まさに、馬子にも衣装!あっ、いかんごめん!年に一度の発表会、思う存分着飾って日ごろの自分から飛翔するのはとってもいいことだ。もちろん、踊りも十分に精進しているしね。

 も一つ感じたこと、舞台はやっぱり立ち姿だねぇ、ってことだ。もちろん舞の巧拙はある。でも、どんなに巧みに踊ってもきりっとした立ち姿には敵わない。舞台に現れるだけで魅了するものがある。美香次さんは、出てきただけで舞台から客席まで一気に華やぎで覆いつくすから。おおーっ、というため息がきこえて来る。顔立ちの美しさ、それもある。舞いの確かさ妖艶な身ごなし、舞踊の魅力のほぼすべてを身にまとっている。

 でも、一番に感嘆するのは、背筋がすっと伸びた姿勢の良さだ。この姿の良さがあるから、どんな舞でも様になる。藤娘の美少女から妖艶な年増まで。このしゃきっとした姿勢があるから、どんな振りも映えてくる。お歳は明かさない。舞台を見たら、このお人、お幾つなの?と、戸惑うこと必死だ。なんせ、うら若き乙女にさえ見えて来るのだから。

 以前、その姿勢の良さの秘密を聞いたことがあったが、舞っているときはもちろん、日ごろから背筋を伸ばすことを心がけているとのお答えだった。実に耳が痛い。いつも前かがみで顎を突き出している己の不様な姿、最近は農作業のせいもあって、ジジイそのものだもの。比べるなんて身の程知らず、そんな気は毛頭ないが、もちっとましな姿勢で過ごさねば、と思うことしきりだった。

 菜の花座の役者にも伝えよう。舞台はやっぱり立ち姿!ぜひぜひ、この心構えは徹底しなければ。

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