ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

俄かウィスキー(ただし安酒)党党員またもや不倫?!

2018-09-25 08:24:49 | 食べ物

 愚直なウィスキー(ただし安酒)党員としちゃ、今度こそ、高級モルトスコッチなどには見向きもせず、ましてジンなどにたぶらかされることもなく、党則に則った清く貧しいほろ酔い生活を送るつもりだった。そのために、デュワーズも1.5Lデカボトル、ティーチャーズも1Lものを購入して、決意のほどを己に言い聞かせてきた。

 なのに、誘惑は果てしなく人生を狂わせる。またもや、息子からジンが送られてきたのだ。親の心子知らずとはこのことか!

 今回送られてきたのは、かの銘酒の誉れ高きシュヴァルツヴァルト(黒い森)ドライ ジン「モンキー」47!ドイツの黒い森に自生する47種類もの植物で香りつけしたという手作りジンだ。フツー、47と書いたらアルコール度数のことだが、こやつはボタニカルの数まで47にこだわっておる。なんと憎きお猿さんなのだ。しかも、これまた圧倒的評価を誇るフィーバー・ツリーのトニックウォーターまでつけきおった。

 モンキージンとフィーバートニックで作るジントニック!これは、おお、まさしく異次元の甘露(異次元緩和にかけてます、なんて駄洒落説明すんな!)ジントニック概念のコペルニクス的転回であった。

 そこで思い出したのが、惜しまれつつも終了?した、テレビドラマの名作『Barレモンハート』の一作だ。

 麿赤児扮する退職外交官が、Barレモンハートを訪れジントニックを注文する。一口飲むか飲まぬか、こんなものはジントニックではない、とグラスを叩きつける。そう、あの麿のもの凄い形相で。中村梅雀扮するバーテンダーは、気おされつつも、次回、気に入るものを準備すると約束して気難しい客を帰す。

 何日か後、梅雀バーテンダーが供したジントニックは、モンキージンにフィーバーツリーのトニック!なぁんてことはない。なにを供したのかは明らかにしていない。ただ、最近の甘ったるくやたら香りを誇張したお子ちゃまジントニックとは真逆のすっきり爽やか、甘みも香りもぐっと控えめな大人の逸品だった。もちろん、麿外交官OBは大満足、数十年前職務に専念した英国植民地を懐かしく思い起こしつつ珠玉の一杯を愛おしみつつ飲み干した。

 そう、モンキージンにフィーバーツリーのトニックの組み合わせは、このお話しが即座に思い浮かぶ上品で味わい深い美味さなのだった。そこはかとなく匂い立つ香りは、主力のジュニパーベリーはともかく、幾重にも重なりあって、深い森の中に誘い込む。そんな酒の上品な持ち味を殺さぬよう、そっと寄り添うトニックウォーター。きっと、ジントニックを親しんだかつての美酒家たちはこんな気品を愛してやまなかったのであろう。

 と、いうことで、この度はまたまた甘美な不倫にうつつを抜かしたわけであった。ウィスキー(ただし安酒)よ、すまぬ!許せ!

 

コメント
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