ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

さすが!爆笑コメディアンズコント教室!その1

2018-09-19 08:52:53 | コント

 吉本の住みます芸人爆笑コメディアンズを講師に迎えて、コント教室、なかなか面白かったよ。さすが、日々笑いを生み出すべく苦闘?している人たちだ。笑いの本質をズバリと教えてくれた。

 午前中は炎天下を高畠マラソン走ってたので、くたくたになった午後から参加。最初1時間が、笑いについてのあれやこれやのお話し、これがなかなかためになった。

 まず、笑いの原点は、いじめだ!って、ズバリ!肉体的な弱点や劣った点をあげつらってみんなして笑う、これが原点だ、王侯貴族に仕えた道化や旦那衆に媚び売った太鼓持ち(これは言ってなかったけど)なんかは、自分を卑下して相手をよいしょして笑いを取った。サーカスのピエロがなぜ悲しい顔をしているのか、それも同じことだ、ってうーん、そうかもしれないなぁ。説得力あるよ。

 子供たちのいじめの原動力も弱者をみんなして笑いのめすことだもの。劣った者を笑って優越感に浸るって、人間の本質なのかも知れない。悲しい性?だから、いじめはいつの時代になってもなくならない。チビ(俺)、ハゲ(団員・・)、デブ(団員・・)・・・がいる限り笑いのネタは尽きない。今回書いたコント台本でも、腹の出た役者に「ビフォアライザップ」なんて悪罵投げかけたもの。ど突き漫才なんて、まさにこのいびりネタそのものだ。

 いじめの被害、ひどいからねぇ、みんな仲良く相手を思いやって、って教えたがるのはよくわかる。だけど、そんなにいい子いい子育てるだけでいいんかねぇ。無理あるんじゃねえのかねぇ。まっ、人間にゃいろんな衝動あって、それを法律や道徳で枠をはめてるから、曲がりなりにもうまく行ってるってのは、たしかにその通りなんだが、なんでもかんでも規制して済むとも思われんのよ。他人が嫌がることは言わないようにしましょう、他人の嫌なことはいないようにしましょう。うん、そうだね。でも、嫌がるから面白い!それを楽しむ自分ってやつも見つめていかないと。世の中聖人君子、マリア様ばっかりなんてなったらつまらんじゃないか。そんな世界じゃお笑いどころか、芝居だって味気ないものになるぜ。なぁんてことを考えながら、爆笑コメディアンズに共感したんだが、ちょっと待て!そればかりを笑いの原点ととらえるのは一面的に過ぎるぞ、秀作君。

 笑いの源流にはもう一つ、風刺の笑いってのがあるんだぜ。弱者・庶民が権力者や金持ちをこき下ろす。権威や権力を虚仮にする、この下から上への嘲笑ってやつも笑いの大きな原点だ。現実にゃとても及ばない、日ごろは頭下げるしかない相手を辛辣にやり込める、あるいはその権威を貶める、こうやって、大衆は溜飲を下げてきた。時には、そこから社会変革へと繋がっていった。この流れ、見逃しちゃいかんだろう。

 どうもこの風刺の笑いってのが、日本の笑い芸には弱いように感じるんだよなぁ。だから、笑いを理知的に振り返れる秀作君もついつい見逃しちまう。そいつは、西欧の道化とわが国の太鼓持ちを比較してみるとわかる気がする。ほらシェークスピアリア王の道化って、お追従一辺倒じゃないものね。ご主人様に向かって、かなり的を得た批判の槍を繰り出してる。それに対して太鼓持ちの方はどうかって言うと、これはもう、徹底的に媚びへつらいじゃないか。まぁ、芸で売ってるって側面もあるにはあるが。

 その傾向は今の芸人たちにもしっかり引き継がれてて、時の政権を徹底的にこき下ろした村本なんかが炎上したりする。芸人は政治に口出しすべきじゃない、なんてすっかり毒気抜かれて、その実、体制べったりのコメントくっちゃべって、ある種権威まで獲得している。誰のことかわかるね。あっ、そこら中そんなゴマすりタレントばかりだった。もっともっと、この笑いの陰の王道を広げてやらにゃいかんのよ。偉い奴らを笑いのめせ!笑いで権威を引っ剥がせ!

 秀作君の笑いについての講義は進む。笑いは常識からずれたところで起きる。そうだなぁ、その通りだ。多くの人たちが当たり前だと信じてるところから、一歩二歩、外れた反応を作ってやる、そこに笑いが生まれる。漫才のボケなんてまさにずれまくりの面白さだものね。僕はそれを落差、って呼んでいる。同じ地平に立ってると思ったら、実は段差があった、そこでがっくり、よくある経験。だから、小話のラストは”落ち”なんだよ。このずれは日常の何気ないところにもいっぱいネタは転がっている。それを鋭敏に切り取れれば笑いを取れる、その通り!いいねぇ、高校生にゃとても分かりやすい話しだ。

 あるいは、日常から突き抜けた世界も笑いの宝庫だ。そうそう。講義後のコント作りでも、飼い犬がしゃべるとか、魔女が求人してるとか、さっそくその手法、使われてた。これなんか、ちょっと視点を変えてみるだけで、大爆笑の大受けネタが作れる。広い言葉で言うとナンセンスだね。

 他に、コントには出演者のキャラで勝負するものと、台本の面白さで笑わすものがあるとか、もしもでストーリーを紡ぐシリーズとか、現実のパロディを描くとか、書き方、作り方のヒントもたくさんもらえた。

 笑いは芸人だけの持ち物じゃない。日常会話の中に、笑いをちりばめられれば、世の中、もっともっと生き生きと活気のあるもになって行くと思う。それが、コント大会を高校生と一緒にし続ける理由だよ。暗く嫌なことの方が多い今時の社会だが、いつもどこかに笑いを見い出す、笑いハンターの鋭さは身につけておこうじゃないか。

 

 

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