ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

おっと!ブルーベリーが収穫時だ!!

2019-06-29 09:11:04 | 農業

 除草、除草、田んぼの除草!って没頭してたら、いけねえ大豆の捕植もしなくっちゃ。ああ、ハウストマトの吊り手、吊り手つけなきゃよ。アスパラガス、草ぼうぼうだせ、って、わかってるって、そんなこと。草取りすんなら、ニンジンが先だって。ほれほれトンネルのブロッコリーなんてぐんぐん育って丸盆のような大きさ、形。キャベツはヨトウムシの餌食になってる。ああ、もう、なんもかも一挙に押し寄せて来る。それが6月、そして7月。

 気になっちゃいたんだ。多分、きっと、恐らく、ブルーベリー実がなってるぞ。摘み方しないと無駄に落ちるばっかしだぞ。横目に入りつつも、敢えて無視、知らんぷり。だってなぁ、ブルーベリー収穫するには、鬱蒼と茂る雑草どもと対峙しなけりゃならんのだぜ。草掻き分けて、実だけとる、なんてできねえよ、そんな不調法なこたぁ。実りをいただくなら、せめて、周囲をきれい整えてからの仕事だろうが。

 やるべき課題を先延ばしにすれば、どんな地獄が待ち受けているか、それもまた十分に知っている。農業は適期作業が絶対!ええい、ここらが最後の機会、思い切って突っ込むんだ!取っかかれ草刈り、ブルーベリーを救い出せ!

 まず、草刈り機で樹々の間の草を刈る。株元には刃を向けない。ブルーベリーの新梢が出てるかもしれんからな。あくまで周囲だけを刈って行く。畑の中に、ブルーベリーの樹を守るように、雑草たちがスクラムを組む。まるで、南洋の海に浮かぶ緑したたる孤島群のようだ。ここに分け入るには鎌と手しかない。繁る雑草の中心はツユクサ。根元を覆った堆肥や藁の養分を吸収して、ほれぼれしちまうほど元気さだ。おっと、見惚れちゃいけねえ、情け容赦なく引っこ抜く。刈ったのでは根っこが残り、すぐにまた、ツユクサ林の再現だ。たっぷりの堆肥に根を張っているので、姿の逞しさの割に意外と簡単に根がらみ抜ける。

 鎌を使わない理由、もう一つは、ブルーベリーの新しく出た芽を刈らないためだ。鎌の刃は草もブルーベリーも容赦しない。あっ、やべっ!ブルーベリー切っちまったぜ!なんてことになりかねない。その点、手ってやつは、なかなか好感度のセンサーを内蔵している。まとめて握った瞬間に草だけじゃないってことがびびっと来る。そっと掴んだ草を掻き分けてみると、ほぉれ、あった、新しく芽生えた新梢だ。危なく切っちまうところだったぜ。

 手では太刀打ちできないのが、カナムグラとヤブガラシだ。こいつらは手強い。蔓性なので、ブルーベリーを雁字搦めに締め上げて勢力を拡張していく。ツユクサなどは、半ば共生状態でブルーベリーもさほど嫌がってはいない様子だが、これら蔓性雑草は違う。放っておけば、樹全体を覆い尽くし、枝々を締め上げて、枯らしてしまうのだ。イチゴ畑もこ奴らのお陰で消滅したくらいだ。抜ければ根っこから引き抜いた方がいいのだが、その逞しい生命力は根張りの頑固さにも宿っている。仕方ない、これは鎌でぶった切る。何か所も切って、纏わりつかれたブルーベリーを救い出してやらねばならない。ともかく、カナムグラとヤブガラシ、これらは最大にして最強の敵なのだ。

 半日、機械を振るい、株元を這いずり回って、ようやく、ブルーベリーの畑に戻った。

 草に覆われている時には、意気消沈、息絶え絶えに見えたブルーベリーだが、雑草から解放されて、すっかり元気回復、心なしか葉っぱの緑も濃くなったような気がする。株元の新梢も思いの外、しっかりと育っていて、これを掘り取って移植すれば、株をさらに増やせそうで、ちょっとホクホク。

 さぁ、これですっきりした。色づいたブルーベリーの実、いただこうかね。適度な酸味の中にするりと通り抜けるほのかな甘み、そして、香り。そう、こうやってつまみ食いしてる程度ならいいのさ、色付き始めれば、連日数時間はかかりっきりになる。で、こっちに夢中になれば、田んぼも大豆もカボチャも野菜も、いつの間にか草に覆われ、いかん、いかん!と慌てふためき飛び回る。それが6月。そして、7月! 

コメント
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