
言葉の誤解を避けるために
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臨時投稿が続いて、間があいてしまったが、8月8日の
続きとなる。
人の心のAとC【6月30日参照】とのやり取りによって、
人間関係がぎくしゃくする例を、取り上げる。
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まずは、次の会話から・・
”お隣のご主人のボーナスは、100万円ですって。
お向かいのお宅では、150万円ですって。
どこも、いいわねえ。”
と妻が夫に、情報を知らせている会話。
その妻の言葉の裏に、”うちと比べたら・・
あなたって、甲斐性なしなのよね”
と夫の、C(子供の心)の部分に、チクリと皮肉を
さしている。
妻は、自分の欲求や感情、動機などを隠して、意識的に
遠まわしに、相手にそれを伝えている。
こうした何気ない会話の中に、それを言う人のA
(大人の心)によって、主導権が握られていると、
池見博士は言う。
もし、ここで、夫が、それに対して、
”お前は、オレが甲斐性ないと思っているのだろう”と
答えれば、
”そんなこと、言っていないじゃない。
あなたって、すぐ、そうやってひねくれて取るんだから”
と、妻のA(大人の心)によって言い返されるだろう。
もし、妻が、夫に、生活費をいれてくれてありがたいとか
給料は少なくても、真面目で家族を大切にしてくれている
ことが、一番だ、とか、元気で働いてくれることが
何よりだ・・・などと、ひとかけらの、感謝の心があれば?
そのような外からの情報が 外から耳にはいっても、
夫に伝えないだろうし、伝える必要性も妻は感じない
だろう。
池見博士は、このときの妻の言動を、A(大人の心)
ととらえているが、その意味では、欲望や嫉妬を主体とした、
C(子供の心)のマイナス面が出ているような気がする。
C(子供の心)の子供めいた欲求の心を、少し遠まわしの
大人的な言葉で、カムフラージュしている、妻の言葉。
本当は、もっと、ボーナスがもらえるはずなのに、
あなたの会社は、景気悪いのね。
あなたの働きが、満足いかなかったのかしら?
ほかのご家庭が、羨ましいわね・・
す
といった、声ならぬ声は、A(大人の心)でカムフラージュ
されていても、必ず、相手に、真意がなぜか、届くものだ。
特に、何というわけではないが、なんとなく、話した
あとの後味の悪さや、相手の言葉の裏にある’棘(とげ)を
感じたりすることがある。
一度の体験なら、忘れるが、何度か、同じ人と会うたびに
そんな印象が残るとすれば、現在の意識では気が付かない、
根の深い、潜在的な、怒りや不満が、あるのかもしれない。
人との関係の行き違いは、こうしたことからも、起きるの
だろう。
怒りやイライラ、欲求不満・・・私たちの心から、こうした
マイナス感情の根っこを、取り去ることから、心がけたい。
取り去るのが難しければ、ひとまず、こうした感情がおさまって
から、言葉 を発することが、大切なことかもしれない。
そういう感情を修めて・・・というが、これを、押し込んで
おけば、マグマが地下に貯められるのと似ていて、リミット
が超えれば、噴火するから、やはり、忍耐強い、日頃の精神的
努力が、大切なのだろう。
が、それは、”自分自身”が、”自分自身”を、コントロールする
だけが解決策になるから、自分次第ということができると
思う。