自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

アレキサンダー大王に説教したヨギ

2015年04月14日 | 健康と”悟り”・スピリチュアリズム

インドは征服できず、一人のヨギに心を征服させられた大王      2015・4.14

********************************************

インド古代の偉大な王として知られる、アショカ王と祖父、

チャンドラグプタ大王は、後世に名をとどめている。

ヨガナンダ師は”あるヨギの自叙伝”の中で、南インドに

訪問した際 王たちの石碑に訪れ、次のような感想を述べている。

 

“アレキサンダー大王のインド遠征には、ギリシャの歴史家や学

者たちが一緒に着いてきたが、彼らによって、多くの興味ある物語

が詳細に記録されている。


J・W・マクリンドルによって訳されたアリアン、ディオドロス、

ブルタータ、地理学者・ストラボ等による物語は、古代のインドに

一条の光を投ずるものである。


インド侵攻に失敗したアレキサンダー大王の最も称賛すべき業績は、

彼はインドの哲学やヨギや聖者たちに深い関心を寄せ、時折、

彼らを招いて熱心に交流を求めたことである。


王の軍隊が北部インドのタキシラに到着したとき、王はタキシラの

偉大な行者ダンダミスを呼び寄せようとして、ディオゲネス学派

の弟子であるオネシクリトスを使いにやった“

 

そしてそのヨギ ダンダミスに、に大王の使いは言う。

“偉大なるゼウスの御子にして、天下万民の支配者である

アレキサンダー大王の呼びかけに応じなければ、お前の首はない”

 

すると、この偉大な行者は、次のように答えたと言う;

“アレキサンダーがゼウスの息子ならば、私も同じゼウスの

息子である。

帰って大王に伝えたまえ。

至高の王である神は、不遜な悪の創始者ではなく、光の創造者

であり、生命や水や人間の心身の創造者でもある。


神は殺戮を憎み、闘いを仕掛けるようなことは決してなさらぬ。

早晩、死ぬ身のアレキサンダーは決して神ではない。


自分の内なる国土の支配者(須田注:心身の支配者)にも

なれない男が、どうして世界の支配者になれるだろう。


彼はまだ、行きながらに黄泉(よみ)の国へ行ったことも

ないし、この地球の息を遥かに超えた、あの大空の太陽の軌道

に着いても何も知らない“

 

さらに続けて

“わたしにとって、必要で真に価値あるものは、雨露をしのいで

くれる木々と、日々の食糧を提供してくれる草木と、喉の渇き

をいやしてくれる水だけだ。


凡人たちが後生大事に蓄えている、財産等というものは、

悩みや悲しみを引き起こすだけで、結局は実の破滅を

招くのがおちだ。

 

ただ私は、森の落ち葉を褥とし、見張りをすべき何物も

持たないから、いつでも安心して眠ることができる。


もし私が何か人の欲しがるようなものを持っていたら、

それなりの用心もしなければならない。


たとえアレキサンダーが、私の首をきったとしても、私の魂まで

殺すことはできない。


私の首はもはや悪態をつくこともなく、体はちぎれた頃ものように

地上に残るだろうが、私の実体はそこにはない。

私は霊となって、神のみもとは昇って行く。

 

アレキサンダーはせいぜい、富を求め、師を恐れる連中を

あのような脅しで脅迫するがよかろう。


たが、われわれバラモンに対しては、彼の武器な何の役にも

立たないと思え。

我々は金も要らなければ、死も怖くない。

だから、大王にこう伝えるがよい。


もし、あなたのほうで何かダンダミスから欲しいものがあるのなら、

あなたが彼の元へ足を運びなさいと。“

 

当時アレキサンダー大王は最北部において、マケドニア軍から

頑強な反撃をくらい、これ以上の進撃を辞めるべきだと言う

内部の声が出始めていた。


インドの行者は、それを知ってか知らずか次のような言葉を

最後に使者に投げかけた。


“もし、大王が、今の領土ではどうしても不足だというのなら、

さっさとガンジス川を渡ったらよいだろう。

そこには彼の家来たちを養うのに十分な土地があるのだから。”

 

この対話の仔細は、すぐにアレキサンダー大王に伝えられた。


王はますます、ダンダミスに会いたいという願いを強くした。

何も武器を持たない老人、しかし、世界を制覇しようとしている

大王に屈するどころか、恐れさえいだいていない賢者に

ぜひ会いたいと思ったのだ。


そこで、彼のところに赴こうとしないこの賢者の代わりに、

バラモンの行者たちを招き問答を試みようとした。

 

ヨガナンダ師の言葉では以下のようにこの状況が語られている。


アレキサンダーは、哲学上の質問に対して、吉に富んだ答え

をすることで評判のバラモンの行者たちを、大勢、タキシラに

招いた。


この時の問答の模様を、ブルタータは次のように記している。

問題を造ったのはアレキサンダー自身である。


①    生者と死者はどちらがその数が多いか?

~ 答え)生者である。なんとなれば死者は存在しないから


②    動物は海と陸とどちらに多くいるか?

~答え)陸である。なんとなれば、海は陸の一部だから。


③    野獣の中で最も賢いものは?

~答え)それは人間にまだ知られていないもの、なぜならば、

人間は未知な存在を最も恐れるから。


④    昼と夜とちらが先にあったのか?

~答え)昼が一日先である。

(この答えにはさすがにアレキサンダーも驚いた顔を見せた。

バラモンは平然と言葉を付け加えた)

~不可解な問いには不可解な答えが必要である。


⑤    人に愛されるためにどうすれば一番良いか?

~答え)偉大な力を持っていても、人に恐れを抱かせないものは

愛される。


⑥    人間はどうしたら神になれるか?

~答え)人間のできない事をすることによって


⑦    生と死とどちらが強いか?

~答え)生。なんとなれば、生は多くの悪を生み出すから。

 

こうして大王は行者たちと接する機会を得て、最終的に一人の

ヨギを師と認めることができた。


そのヨギの名前はカルヤーナと呼ばれ、印度ガンジス川を

超えずに、ペルシャに、その闘いの矛先を向けた大王とともに

ペルシャに渡った。


優れたヨギは自分の命の尽きる時を知る。

カルヤーナも、例外ではなく、自ら肉体を離れる時を予言し、

その日にマケドニア軍の面前で火葬用の薪を燃やした。


そして平然とその中に座ると、運命のままに、老いた体を

燃やし尽くしていった。

身動きせず、恐怖や苦痛を見せず炎の中で生身の肉体を

火葬している様子は、アレキサンダー大王や多くの回りで

様子をみる外国人には、印象的だったようだ。


カルヤーナは火葬される前にアレキサンダーに こう告げた。

“あなたにはやがて、バビロンでお目にかかりましょう。”

 

これは予言となる。

大王はペルシャを引き上げて、一年後にバビロンで命尽きる

ことをヨギは知っていたのだろうか。

その言葉どおりに、一年後、バビロンで肉体を脱いだ大王の魂が、

師であるカルヤーナと再会するであろうことをこのとき、

カルヤーナは知っていたのに違いない。

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 宗教包括的癒しと仕組み | トップ | 母を救急車で‥1人にはしてお... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

健康と”悟り”・スピリチュアリズム」カテゴリの最新記事