完全無欠の世界は創造主(神)にとっては、面白みがない?
2017.9.3
****************************************
ギータに説かれる様々なヨガの方法に戻る前に、
もう一本、先回ご紹介した木内氏の本から、興味深い叙述部分を
ご紹介したいと思う。
今日は、臨死体験は現実に可能であるという前提で、臨死体験をされた
木内氏の次の言葉から引用させていただく:
“臨死体験の中で私は宇宙の始まりも見てきました。
言葉でいうのは、難しいのですが、それは‘膨大な意識’といった
ものでした。
‘膨大な意識’はすべてを知っていますが、それだけでは、
とても退屈な世界です。
そこで、一つの‘ひずみ’を作り出します。
‘ひずみ’は元に戻ろうとして動きをつくります。
そのひずみが解消に向かうときのエネルギーの流れこそが、今、
私たちが生きているこの三次元の世界だったのです。“(P.14 )
自然治癒力セラピー協会からの観点からお話させていただくと、
まず、木内氏の言う、‘すべてを知っている膨大な知識’ とは、
我々が宇宙意識と呼ぶところの、宇宙創造にかかわる意識
(人は一般にそれを神と呼ぶ)、または その意識の持つ想念
であろう。
この知識、意識、想念 によって、宇宙の隅々まで例外なく、
完全なバランスで運行する動体的リズムが存在する。
元素ができ、ガス状の物質が生まれ宇宙は、ビッグバンという
大爆発を生じ、さらに新たなる元素が生まれ、星ができ、その
繰り返しによって、鉱物 植物 動物 人間 が生まれた。
こうして宇宙の動きは、すべて、’すべてを知っている膨大な知識を
有する想念’から生まれたと言っても過言でないような気がする。
生命あるものも、無機物に見えるものも、すべての存在に
その存在する‘理由’が与えられ、創造のプロセスが終わったと
見える時“完全なる万物生成”の仕事を果たして、”良し”と満足げ
に言葉をもらした神の姿に重なるのだろう。
しかし、木内氏の言うように、神は自分の創造した欠けるところ
がない世界では、すべてが完全な神ご自身であるがゆえに
間接的にご自身を観たい、と思われたのだろう。
言葉を換えれば、木内氏の言うように、”少々飽き飽きされた”
のだろう。
皆様も自分がどんなに完全に着飾って、頭から足の先まで
おしゃれに決めても、他者が存在して、”素敵ね、似合うわ”と
言ってくれなければ、オシャレのし甲斐がないのに似ている。
神は、そこで、‘遊戯’を考えた。
いわゆる、サンスクリット語で”神のリーラ’と呼ばれる、
神ご自身の演出した世界の始まりだ。
それは、二元の価値観のある世界を造り、人間に知恵と自由を
与えることで、人間の意識に他者、自分という分割認識を
持たせたところから始まった。
そうすることで、Aという人間に住む神はBという他者
(同じ神の創造だが)によって、神という自分を、”感じ”て
もらえるという仕組みが可能になる。
人間の二つの対極的価値観も造られ、その結果 木内氏のいう
ところの‘ひずみ’が生じることになる。
‘ひずみ’とはアンバランスな状態だ。
それは一元の価値観、すべて良し という世界から ‘良しとしない’
現象が生じたということでもある。
このアンバランスな感覚は心地が良いものではない。
重心を見つけ、倒れないように支えるための、エネルギーの動きが
生じる。
木内氏は その動きを、“そのひずみが解消‘に向かうときのエネルギー
の流れ” と呼んだ。
それこそが、今、私たちが生きているこの三次元の世界”のメカニズムで
もあるのだろう。
天秤が均等に釣り合うためには、左右の重りが同じ重さでなければ
ならないが、‘ひずみ’が出ることで、天秤は 左右に揺れる。
それを程よく、調整しながら、完全に均衡がとれるまでは、
最後の最後の瞬間まで、天秤は揺れ続けるだろう。
この天秤の揺れを 人生に喩えるのなら何になるのだろう?
私たちは、何かしら、大なり小なり、毎日、問題や悩みをかかえて、
その解決方法として、右か左か迷っている。
右に向かって進んでも、やはり左にといって、また、曲がり角まで
戻ってくることもある。
再び、左に行き又小道に分かれれば、選択しながら、進んでいく。
問題を解決するというのは こうした選択の積み重ね・・山頂まで
に到着するまでに出合う小道を選択、左右に体を揺らせ上り、
山頂に来て、やっと、目的を果たせば、体の揺れは止まる。
そこで問題が解決というわけだ。
天秤の揺れとは、きっと、私たちの毎日のそうした試行錯誤の
心の揺れをいうのだろう。
必ず、揺れが止まる時が来る。 その時、山頂に苦労して到達した
ように、充足感や満足感を味わう。 それこそが、私たちの体と心
を借りて、神が楽しんでいる、ゲームの目的だというのだ。
その 試行錯誤して、完成に導かれる、プロセスを 神 は自分自身の
姿(問題のない、解決した世界)を見るために、楽しんでおられるのだ。
私たちの生きている地球上でのあらゆる動きは、”ひずみ”から生じ、
人類が歩んでいる道は、”揺らぎ”に満ちていて、その”揺らぎ”
で生み出された力が、人間の織り成すエネルギーでもあるのだろう。
引用部分)『生き方は星空が教えてくれる』 サンマーク出版、2003年4月
注2)木内鶴彦氏の略歴[編集]
1990年3月16日 - チェルニス・木内・中村彗星(1990b)発見。
990年7月16日 - 土屋・木内彗星(1990i)発見。
1991年1月7日 - メトカーフ・ブリューイントン彗星発見。
1992年9月27日 - スイフト・タットル彗星再発見。
1993年 - 北海道の北見観測所で円舘金と渡辺和郎が発見した
小惑星 (5481) が「木内」(Kiuchi) と命名される。
1997年 - TBS「いのちの響」に出演
2001年 - 6月公開の映画 STEREO FUTURE
(製作・配給=東北新社 監督:中野裕之)に出演
2004年 - 長野県北佐久郡望月町(現長野県佐久市)に、
北八ヶ岳第一天文台を開設。
2010年 - 「東久邇宮文化褒賞」受賞 彗星探査,環境保護活動、
炭素化炉システム、太古の水の開発が評価された
後編は次回に続く~