湯の郷から一般道で備前市に向かった。
JRで言うと伊部(いんべ)駅。
駅の中に伝統産業会館がありそこでも見たり買ったり体験をしたりできる。
駅から北の方に窯元がたくさんある。駅から近くは昔からやっている人 新しい作家さんたちの工房は遠いところにあるみたい。
四角い煙突のあるところに窯あり。
指定文化財になっている天保窯
今回買いたかったのは マグカップと蛙の置物であるw かえるはなんとなく無事返るの思いを込めて門のところに置いているんだけど、二代目の蛙が風雨にさらされて蛙じゃなくなってしまったので代替わりさせたかったのである。
何軒か店を回って こういったものを探すのは楽しい。
で、マグカップ三つ(オットとワタシとムスメ分) ペアのビアカップ 箸置き 蛙を購入
帰ってきて早速使っているけど、これで飲むとつくづくホットコーヒーがおいしい気がする。 良い買い物だったな~
マグカップを買った所では店舗の裏に登り窯があり、面白そうと覗いていたらご店主が 「若い者に案内させますよ」と窯周辺を見せてくれた。
この窯に火を入れるのは年に一度くらいでその時は松の薪を1200束くらいを二週間くらい炊きつづけるそうだ。その間は交代制ながら寝ずに窯の番をするらしい。
窯のどの場所に置いてあるかとか 灰に埋もれていぶされたものとかで出来上がりの風合いが違うらしい。 また藁を巻いて焼いてと独特の模様を出したり。(この巻きつけた藁は1200度の高温でも焼け落ちないでくっついてるんですと 不思議なもんですね)
同じ材料でこんなに色んな表情が
これは材料の素の土。畑の土を深く採掘。その後ゴミなどをとりのぞくのだそうだ。
これもすべて自分の家で一貫してやっているらしい。大変な作業ですね。
ここのお宅はご店主と 長男次男の方が跡をついでいる。登り窯の前ではビニールプールが置かれてどちらかのお嫁さんが幼稚園と小学生くらいの男の子と遊んでいた。人懐っこいお兄ちゃんは近くの川でとってきたばかりのおたまじゃくしとザリガニを見せてくれた。
この子たちも将来 おじいちゃんとおとうさんの後を継ぐのかなあ・・・
そして蛙を買ったのはこの店の近くで60代くらいの女性がお店番をしている店だった。
ちょうど思ってたくらいの大きさの蛙が居たので喜んでいたら安くしてくれておまけに小さい蛙を 「好きなだけ持ってっていいですよ」と袋に詰めてくれた。チビ蛙は彼女が焼いているらしい。こちらもご主人と長男次男の方が一緒に焼いているらしい。
「大変な仕事ですからね。子供たちが継いでくれたのは嬉しいけどなんだか可愛そうな気がするんですよ」とおっしゃっていた彼女。
ご主人の苦労をご存じなだけにそういう思いもあるのはわかる。 けどこうやって何百年も続いてきた伝統工芸の技って次の代にもつなげていって欲しいな~
一度途絶えてしまったら復活させるのは至難の業でしょうからね。
この町は割合と親を継いで行こうっていう気質が残ってる感じで頼もしかったけど(実際はどうなんでしょうか?)
駅に近い喫茶店で備前焼の器で供されるおやつセットとコーヒーを頼み(これで飲み物つきで800円ってなんてお財布に優しい値段設定なのであろうか)
空港へ
途中でガソリンを入れてトヨタレンタカーに返して 飛行機の時間までちょっとラウンジで休んでから羽田へ。
すごく充実した旅だった。