局の道楽日記

食道楽、着道楽、読書道楽  etc
生活色々を楽しんで暮らしている日々の記録です

三位一体に魅せられる

2011-09-05 23:45:01 | 見る(映画 劇場 美術館など)
きっかけは一冊の本であった。

三浦しおん氏の「仏果を得ず」

主人公は若手の文楽の太夫である。 この本が実におもしろいのよね。
八章から成り立ちそれぞれの題名が文楽の演目となっている。その演目にまつわる修行の悩み、師匠や三味線の相方との人間関係、恋愛なども絡めて 軽い筆致ながらとても引き込まれる話であった。

三浦氏の作品の魅力の一つは色々な職業、色々な世代、男女を描きながらもそれがきちんと違和感なく描かれることだと思う。
まだ直木賞を受賞する以前、彼女の作品を何冊か読んだ時、名前も男女どちらにも取れることから この人は男性?女性?と悩んだものであった。それほど人物の書き分けと描写がスゴイと思うのよね。
この辺 どんな世代を書いても自分の世代の人になっちゃう 渡★御大とは違うものがあるのだ。

で、この本を読んで、俄然 文楽ってものに興味が湧いてきた。
章の名前になっている演目を見ると 歌舞伎の演目と共通するものが多いのでだいたいのストーリーは見当がつく。
しかし、それを人形が演ずる。 その人形の代わりに太夫が語るって、そりゃーyoutube見ればいつでも見られるご時世ではあるけど、実際の舞台を生でこの目で見てみたいと思っていたのよね。

願えよ さればかなえられん。

夏の初めのことだったか 近所の母友から 「手持ちの着物を見てコーディネートしてほしい」という依頼を受けた。秋に書道の個展を開くのでそこで着物を着たいのですと。
こんな感じで着物にかかわると、伝統芸能の関係者などが周りに存在することが多くて、何気ない世間話から、彼女の友人が文楽好きで毎回東京公演の時に見に行くという話を聞いた。
何気なく 「私も一度見たいって思ってたのよね~」と言ったら、巡り巡ってチケットを回してくださることになったのだ。

ワーイ 

 半蔵門の駅にはこのポスターが

 小劇場は満員御礼 私の舞台鑑賞の水先案内人である舞台友Nに 文楽に行くって言ったら 「よくチケットとれたね~ 座席少ないし、最近人気だから歌舞伎よりチケット取りづらいよ」とのこと。

 幕開き前のワクワクする瞬間である。右にチラって見えるところが床と言いここに義太夫を語る太夫と三味線が並ぶ。場面が変わると壁ごと回転して 次のペアが出てくる。(その出方がかっちょえ~)

ワタシの鑑賞した演目は

寿式三番叟

伽羅先代萩~御殿の段

近頃河原の逢引~堀川猿廻しの段

三番叟は能で見たし 先代萩と近頃河原の~は歌舞伎で見たことがある。

それを文楽の世界はどう違って見せてくれるのか?

        結論から言うとめちゃ面白かった。
        はまっちまった
        これから二度の宝塚を一度にしても見たいと思ってしまった。

                        続きます。
コメント (2)
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