モッコウバラ。
この時期に咲く可愛いつるバラですね。あちこちのお宅の垣根で咲いてます。
撮ったのは先週かな。温かい日が続いてるんで、今週はもっと咲いてるやろうね。
さて、「スカーレット」ですが・・・
もう、どんだけ書くねん‥って感じですけど(苦笑) もう少し。
というか、あれこれ書きかけたらきりがないですが~(汗)
「スカーレット」をご覧になってない方、興味のない方はスルーしてくださいね(汗)
印象的なシーンはいろいろありますが、一昨日のラジオで岡田惠和さんも「良かった」とおっしゃってました。
19週、喜美子と八郎が10数年ぶりに再会するシーン、あのシーンがとても印象的です。
トレンチコート姿で登場した中年感あふれる八郎に、ちょっとびっくり。
武志が大学受験して卒業を迎える頃なので、喜美子は47歳ぐらい、八郎は49歳ぐらいかな?
実年齢よりも老いた中年を演じるって、洸平くんは初めてですよね。
たたずまいが、もう、中年のオジサンでした~
そして戸田さんは、さらにいろいろなものをそぎ落とした感じで、シンプルになってました。
ラジオで、「後半、僕らは、戸田さん含め(老け役を)楽しんでましたね」という洸平くん。
岡田さんは、「良い現場だったんだね~」と。そうなんですね。
3月6日の「ごごナマ」で、洸平くんが言うてましたけど、喜美子が穴窯を成功させて信楽を出て以来10数年が経っていて、その間、八郎は登場しないのですが、実際に撮影がなかった期間は1週間ぐらいなんやそうです。
そして、1週間ぶりにBK(NHK大阪放送局)へ行ったら、セットも、喜美子も、すべてがとっても懐かしく思えたんですって。
長く撮影をしている朝ドラならではの感情だなと思ったそうですが、その感覚が、そのシーンを演じるのに良かったというてました。
「川原さん」「十代田さん」と呼び合う他人行儀な二人。
なんとももどかしく、けど、またなんかドキドキするような雰囲気で(苦笑)沼民(洸平くんファンね!)の方々はみんな二人の復縁を願ってたと思うので(多分!)複雑な気持ちで、というか、元サヤを祈るような気持ちで?見てましたよね。
武志の養育費を送り続けてきた八郎に、喜美子は頭を下げます。
八郎は、静かに、5年ぶりに武志に会った時のことを話しました。
「ええ子に育ててくれて、お礼を言わなあかんのはこっちの方です。僕が至らんばっかりに」
「やめようや!・・・やめましょう。そんなん言うたら、ウチかて・・・もう済んだことです」
「・・・そやな」
この、「そやな」という八郎の表情が切なくて~~~(涙)
というか、「キスはいつするんやろ」って言うてた頃の八郎と、全く違う顔ですやん。
この人は、洸平くんは、ほんまにいろんな表情ができる人なんやなぁと、改めてびっくり。
ノベライスを読むと、「名古屋にいます。何かあれば言うてください」という八郎に、喜美子は、「いいえ、私から頼ることはないです。お金も送らなくて結構です」というんです。
‥・ドラマではこんな強い?拒絶するような?言葉はありませんでしたね。
そして、座布団を外して離れたところに座ってお礼を言う喜美子を見て、〈八郎はその距離感を寂しく思った〉とあり、〈二人の中で何かが完結した〉と書かれていました。
ドラマを見る限り、私は、〈完結した〉ようには見えなかったですね。
どちらかというと、この時が、後々の〈新しい関係〉の始まりのように思えました。
八郎の去っていく気配を感じながら、じっとガラス戸の向こうを見つめる喜美子。
BGMもなく、淡々とたたずむ喜美子の姿を、長い尺で映していました。
なんかもう、ザワザワしましたよね~
「キミちゃん、早く、ハチさんを追いかけて~」
あの、結婚前の〈抱き寄せる〉前の喜美子のように追っかけて~って、思った人多数(苦笑)
水橋さんは、このシーンは難しいだろうと心配になって? 撮影現場に見に行ったそうですよ。
(後にも先にも、このときだけやったそうですが)
物語の中では10数年経ってるけど、俳優さんたちは少し前まで若い夫婦を演じていていたのだからと。
→ こちら
別れて10数年経ってる二人だから気持ちも変化してるやろうし、もっとドライなシーンとして書いたそうです。
でも、演じてる二人は、そうではなかったんですね。
敬語を使って、名字で呼び合うぎこちない二人は、かえって?〈愛があふれてる〉二人になってました。
別れた夫婦が元に戻るって、普通なら、なかなかありませんよね。
でも、なんか、この夫婦にはありそうな気がしました。
ほんまに、愛がだだだ漏れてる感じなんですもん。
喜美子は、去っていった八郎の姿を追うようにガラス戸を見つめてました。
10数年ぶりに会った八郎に、懐かしい気持ちもあったやろうけど、おそらく、愛しい気持ちを思い出していたんやろうなと。
その背景には、息子武志の言い放った言葉が残ってるんかなと思います。
18週、高校2年になった武志が進路を迷ってた時、喜美子に陶芸を習っていて、喜美子から、陶芸家になりたいんかと聞かれます。
わからん、と言いながら「テレビジョンが来た日」の話をしました。
「来たで、武志!」といった喜美子の声に、「やっと来たか、お父ちゃん・・・お父ちゃんが来たんかと思ってん」
・・・顔をあげて武志を見る戸田さんの表情が秀逸で・・・
「けど、それからもお父ちゃんは帰ってけえへんかった。いつの間にか離婚してた・・・お母ちゃんはやりたいことをやって陶芸家として成功したけど、大事なもんを失ったんや」
もう、ほんとに、涙がこぼれましたね。
武志の言葉にも、喜美子の表情にも。
武志は、喜美子に内緒で八郎に相談して大学受験を決めます。
武志が八郎に相談していることをうすうす気づいていた喜美子ですが、合格した時、初めて、5年ぶりに父子が会った日のこと、いろいろ話したことを聞きます。
「5年ぶりに会うて、ふつうにしゃべれるもん? そういうもんなん?」
武志は、八郎がお風呂を沸かせるぐらいいっぱい手紙をくれたこと、いつも最後に、「会いたい、いつか会いたい」って書いてあったことを話します。
何とも言えない喜美子の表情を映しながら、ナレーションが語ります。
「大事なものを、失ったのだと思いました」
ノベライスでは、こう書かれてました。
「喜美子は自分が失ったものを考えました。けれども何をどうできただろう。どうすることもできなかった。自分の志を貫きたかった。ただ、火とともに生きたかった」
ちょっと、ドラマとイメージ違いますかね~。
喜美子と八郎が再び会うのは、喜美子がアンリというセレブな女性と不思議な出会いがあって、アンリと、幼馴染の信作と照子、そして八郎の5人で「すき焼き」を食べるところ。
録画してたのを何度も見たけど、テーマ的?には2つあるのかな。
一つは、老いと向き合う孤独な40代の女性のこれからの生き方のこと。
もう一つは、元サヤを願う幼馴染たち(私たちも、か??)がいること。
酔っぱらって「ハチさん、ハチさん」言いながら泣いたという喜美子。
酔っぱらってその夜の記憶がない喜美子は、アンリにそれを聞かされてびっくり。
・・・そういや、信楽太郎の「さいなら」を聞いた時も、泣きながら八郎の絵を描いてましたよね~
自分の心の中を、意外にも?素直に出してしまう人なんかもね~。
でも、あの「すき焼き」シーン、二人の視線が絡まることがなくて、悶々としました。
八郎が一瞬、喜美子を見た時があったけど、ほんまに、一瞬でしたし~(涙)
(アンリが、喜美子が一人になってさみしがってる、というくだりで)
「それが年を取るということや。ハチさん、川原ちゃんな、白髪見つけてんで~」
喜美子は目を伏せたけど、八郎はちょっと微笑みましたね。
(喜美子を愛おしく思ったのかな~)
もう、ほんまに、もどかしいわ~(苦笑)
思うような作品をコンスタントに作りだし、それなりに名声もお金も得て、親を見送り、子どもも育て上げ、気づいたら、一人でご飯を食べている自分がいるわけで。
そこに共感する同世代の人もたくさんいたようですね。
私も、子どもが大学に入学したころ、そういう空虚さを味わいました。
ま、私の場合、そのころドラマの中の某俳優さんを見染めてしまい、舞台を観る楽しさも知り・・・現在に至るんですけどね(苦笑)
・・・なので、沼民の皆さんのハマりゆく気持ちは、よ~くわかる(笑)
武志は、両親が「すき焼き」を一緒に食べたことを喜びましたね。
「そんなことができるんやったら、言うてぇや~」
武志の喜びように、喜美子は申し訳なく思うんですね。
父に会いたかった息子の気持ちを思いやれなかったとを。
20週、二人が工房でかわす「夫婦漫才のような」会話は楽しかったですね。
「ハチさん、呼んでええ?」「はぁ?」
「キミコ、呼んで」「えっ?」
「キミコ、呼べ」「あの・・・」
「ええやんもう、フツーにいこうや~・・」
「そんな、いきなり・・・おこってはるんですか」
サバサバして、カッコいい喜美子。
こんなことできるでと八郎をハグした時の表情が印象的です。
水橋さんによれば、台本に「(懐かしい匂いがして黙ってしまう)」と書いたのだとか。
・・そういえば、匂いを嗅いでるような表情でしたね!
ノベライズによれば・・・
喜美子はその懐かしい匂いに揺れた。その胸板も背中の感触も変わってはいない。昔、愛した人のぬくもりであった。喜美子は黙って八郎から身を離した。…自分は思っているほど平気ではなかった。
そうなんやね~。
喜美子も、やっぱり「意識してる」んですよね!
八郎は、かつて新人賞を取った赤い大皿を(武志に見せるために持ってきたんですが)見て、
「これな、何回も壊そう思た。壊して前に進もう思てな。昔、喜美子が言うてたんを思い出して」
「新人賞取ったお皿やん。陶芸やってへんて、ほんま?」
ノベライズによると、喜美子は、八郎が陶芸をしてないことが気になってたようです。
「今は休んでる」
「やりたい言う気持ちはあるん?」
「陶芸を始めたころの・・気持ちになれへんか思て」
「どんな気持ち?」
「ドキドキしてた、あの感じな・・・恋やな。もっかい好きになりたい。純粋にな」
ノベライズには、この言葉が喜美子の心に深く届いた、とあります。
情熱を失ったら作り手は死んだも同じ。どんな芸術家も同じ。
凡人の私には、喜美子のことを言うてるように思いましたね。
八郎は、喜美子がそばにいたから作陶できた人やし、もっかい好きになりたいのは、もうっかい、喜美子のそばにいたい、ってことやなと。
勝手に盛り上がったんですけどね~(笑)
「ほんなら、壊したらええやん。壊して前にすすみ。ほんでな、ウチとも、新しい関係築こうや」
男前な喜美子です。
水橋さんによれば、この喜美子の台詞は、喜美子から八郎へのプロポーズだとか。
戸田さんはサバサバしてカッコいい、男前な喜美子も魅力の一つやと。
戸田さんは「今週のキミちゃん」でこういうてますね。
「原点に戻る」って。
相変わらず、長くなってしまった。
もう、なかなか、終わらへんやん・・・
その5は → こちら