団塊世代の人生時計

 団塊世代として生きてきた「過去」、「現在」、そして「未来」を、自分自身の人生時計と共に綴り、「自分史」にしてみたい。

人の心に平和のとりでを築くコンサート

2015-08-04 15:05:18 | 音楽

人の心に平和のとりでを築くコンサート

2015年8月4日(火)

 3年くらい前、ネットを通して知り合いになり、今や一番の楽友となった人がいます。その人から、「土の歌」の存在を教えてもらったのですが、ちょっとした衝撃でした。①こんな素晴らしカンタータを知らなかったという無念さ、無知に対する反省、②鋭い文明批評を感じたことなどです。

 私は、この曲が演奏されるなら、西日本であればどこでも行って聴きたいと思っていたのです。それが、ところが、我が地広島で演奏されることになり、これって、衝撃という表現は相応しくないかもしれませんが、そのように感じました。当然、先の楽友に知らせました。その方は、即座に広島へ聴きに行くと言いました。予断ですが、土の歌のLPを持っていて、作曲者の佐藤眞さんにサインを貰いたい意向でしたので、私が事務局へ行き手続き?を代行いたしました。

 この曲を知った3年前といえば、東日本大震災後約1年経過した時点です。今でもですが、福島の原発事故は大変な状況で、梅原猛さんの「文明が裁かれている」という言葉に強い共感を覚えていた頃です。この土の歌はそれより前に、文明とは何かの本質に迫っていたのです。第3楽章「死の灰」に次のような一節があります。「文明の不安よ 科学の恥辱よ 人知の愚かさよ」。私は、他の人にこれを知らせシェァしました。

 

 昨年立ち上げられたNPO法人「音楽は平和を運ぶ」が主催したものです。

 

 土の歌の第一楽章「農夫と土」の出だしは、暖かく包み込むようなメロディです。私は人々に目覚めてくださいというメッセージが込められているように感じます。第7楽章「大地讃頌」は勿論この曲のクライマックスです。母親が我が子を愛しく抱きしめるようなイメージを感じます。身体がワナワナと震えだし、とめどなく涙が流れました。合唱団はレヴェルが高くよく練習していると感じました。オケはアマチュアのこの曲の演奏のために編成されたもので、率直に言って相当破たんか所がありました。でも、この曲の素晴らしさの力にそんなことは吹き飛んでしまいます。「大地讃頌」は繰り返しがあり、子ども達も合唱に加わりました。舞台の両袖に約10数人加わり、途端に音の広がりが豊かになり、天使のような透き通った高い声が合唱のハーモニーを重奏的にし、宇宙的広がりを感じました。ブラーヴォォ。

 フォーレには申し訳ないのですが、レクイエムが陳腐な音楽に思えました。

 このNPO法人は、カルビーの元社長松尾聡さんがスポンサーになっているようです。この委員長は松尾姓ですので、ご親族の方かも知れません。

 佐藤眞さんの指揮は、明朝体といった感じです。大地讃頌のクライマックスでは拳を土に突き刺すような動作をしました。

  

 第4楽章「もぐらもち」ですが、私はもぐらの意味を図りかねていました。作詞者大木惇夫氏が戦争に協力したことを痛切に反省し、諧謔的に自らをもぐらになぞらえたものと分かりました。その真摯さに敬意を表します。

 広島文化学園HBGホール

 佐藤眞さんの写真を撮りたかったのですが、早めに引っ込んでしまい、撮り損ねました。

 子ども達はこのような形で参加しました。

 

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