水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

カンニング少女

2009年05月09日 | おすすめの本・CD
 「だけど、カンニングを目のかたきにする先生がたびたび口にする、『カンニングで高得点をとったって、全然自分のためにはならない。いつか痛い目を見ることになる』っていう意見には納得しかねるな。カンペごときで高得点を得られるってことは、いい換えれば、暗記力さえ優れていればOKってことでしょ? 私ならこういい返す。『暗記力しか試されないテストで高得点をとたって、全然自分のためにはならない』ってね」
 ~ 黒田研二『カンニング少女』(文春文庫)~

 なるほどねえ。うまいこと言うな。
 たしかに、暗記が大事って生徒さんがたには言ってるけど、大人になったらそんなに必要ない。ていうか全然必要ない。
 データを自分の中にためることよりも、自分の外側にあるデータをいかに使いこなせるか。
 自分のもたないデータをもっている人といかにコミュニケーションできるか。
 娑婆をいきていくのに必要なのはこっちだ。
 じゃあおれらは、生徒諸君に何を強いているのだろう。
 よけいなことを考えずに、与えられたことをやりきる能力だろうか。
 どうせやらなきゃならないのだから、いかに効率化できるかという要領なのだろうか。
 勉強ってなんなのだろう。
 そんなことまで考えてしまったが、答えはでないので、今日も粛々と業務をこなしていくのであった。 
コメント
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