水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

生態系

2009年05月15日 | 日々のあれこれ
 生態系という言葉は、中学校で習いましたか?
 聞いたことがある。そうか。
 生物とそれをとりまく環境のいろんなものをひっくるめて、一つのまとまりとみたものですね。
 そこにある様々な生物種は、お互いに影響をあたえあって生存し、安定した一つの場をつくっている。
 突然外来の生物が一つ入ってきただけで、その生態系がくずれてしまうことがあります。
だから、多用な種の存在する生態系ほど安定度は高いと言われてます。
 人間におきかえるとわかりやすいかな。
 ここに42人の高校生がいる。もしみんなが同じ価値観をもち、同じくらいの頭のよさで、同じかっこうしてたら気持ち悪いよね。
 そして、そこにまったく違ったタイプの人間が一人まぎこんできたらどうなるだろう。
 均質の人たちがつくっていた空気が壊れるようね。
 その人を異物として攻撃することも考えられる。これがいじめの原理の一つであることは想像できるでしょう。
 だから、クラスにはいろんな人がいた方がいいんだよ。
 小さいときから、同じようなタイプの集団で育ち、そのまま難関大学まで進んでいって、大人になって、きわめて狭い世間と自分たちの都合しか考えられなくなっている人たちが日本にもけっこういるんだよ。
 だから、みんなみたいにふつうの中学校から川東にきて、そこから東大に入って、世の中の中心になってください。
 生態系は、生物種どうしやそれをとりまく環境が密接にむすびついているので、そういう結びつきを有機的と表現することもあります。
 この言葉もおぼえておこう。
 このクラスはどうだろう。もう有機体といえるか?
 入学して一ヶ月ちょっと。まだ有機体にはなってないな。
 これから体育祭、文化祭、スキー旅行などの行事を経て、そして何より日々の生活にみんなで前向きにとりくんでいくと、有機体になれる可能性がある。
 人間のからだは当然有機体です。
 身体のどこかが具合が悪いとき、その調子の悪い部分に原因があるのではなく、まったく別の部位に問題があることが多い。
 どこか調子の悪いときは、そこを切り離すのではなく、からだ全体でなんとかしようとするのが、人のからだです。
 クラスもそんな風になれるといいね。

 現代文の演習問題で「自然、生態系、環境」という題材をとりあげ、こんな話をした。
 部というのは、まさしく有機体を目指さないといけない。
 演奏は、一人一人の音が同時に出ていればいいのではなく、それが渾然一体となって一つの音をつくっていなければならないとあらためて思った。
コメント
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