年末に芸劇に行った時たまたま見かけたポスターだったが、三重県立白子高校、東海大高輪台高校、そして市立柏高校の3校が出演と書いてあって、すぐにチケットをとった。
高輪台、市柏は、吹奏楽関係者でなくても名の知れた学校さんだが、白子高校さんも関係者なら皆知っている名門だ。
主催者のあいさつに続いてトップバッターは白子高校さんの演奏。一回ぐらいは普門館で聴いたことがあるような気がするのだが、はっきりとした記憶がない。
音が関西ぽくない、とまず思う。昔もこうだったのかな。むしろ伊奈学園さんのようなすっきりしたサウンドで、意外だった。最後の方の「風になりたい」では、客席に降りてきたメンバーから小さなタンバリンを渡された。もらった人たちが頭拍でならしているのを、しょうがないなあと思いながら、じぶんだけはきっちりと16に刻んでサンバのりにしてあげた。
高輪台さんは、あいかわらずゴージャスなサウンドだ。畠田先生をみるといつも、吹奏楽界の堀裕嗣だなと思うのだが、通じる人にまだ出会えない。
白子さん、高輪台さん、ともに全国トップクラスのパーフォーマンスであることは言うまでもないが、努力すれば実現可能な次元にはある。からだの動かし方や、選曲、企画は、「旧態依然」と言うこともできる。けなしているのではなく、従来通りの吹奏楽を極めてきて、そのハイレベルな達成がそこにあるという意味だ。
埼玉県内のトップ数校も同じレベルにある。
それに対して三団体目の市立柏さんは、今までの吹奏楽の次元を越えたものだった。
「吹奏楽のステージ」と言うことさえはばかられる。
体の動き一つとっても、ビート感が違う。Jポップにあわせて、「せーのでたちあがって、両サイドにツーステップ、一度とまって楽器を上にあげます」的な動き、楽しそうに動いてても実は頭拍でしか手拍子してないのとそう変わらない動き、つまり、うちも含めほとんどの吹奏楽バンドで行われている動き、ではない。
アップとダウンがあり、ワンエン、ツーエンのエンがちゃんとあるのだ。おそるべし。ダンス一つとっても、専門家にきちっとレッスンしてもらっているのだろう。
ちょっと次元がちがいすぎて、参考にできないぐらいだなあというのあ、正直な感想だ。
それでも、と思う。部分的にでもいいし、その考え方だけでもいい、新しいものをとりいれたい。