水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

東京佼成ウインドオーケストラ

2015年06月12日 | 演奏会・映画など

 

 昔上司としてお世話になった先生が亡くなった。
 十数年お会いしてなかった。訃報を聞いてから慌ててかけつけても、ご本人とはお話できないというあたりまえの事実に気づく。一言「お世話になりました、あのあと自分は国語科主任にもなり、今もがんばってます」とお伝えしておきたかった。
 考えてみると、何年もお会いしてない恩人で、相当ご高齢の方のお顔が思い浮かぶ。
 でもなあ。そろそろかもしれないので会いに来ました … っていくのもおかしいか。
 さりげなくお手紙など書いてみようかと思いながらも、お焼香がすむとすぐ、ダッシュで行けば間に合うかもと、小走りで駅に向かう自分がいる。
 総武線で小岩からお茶の水へ。丸の内線に乗り換えて池袋へ。
 飯田橋で有楽町線に乗った方が、池袋で降りたとき芸術劇場に近かっただろうか。
 いや、たしか飯田橋でのJRと地下鉄もいったん地上に出ないといけないから、選択は間違ってなかったはずだと思いながら芸劇の長いエスカレーターに立つが、こわいから歩かずにじっと乗っている。
 係の人が「こちらでお待ちください」と言われたときに聞こえていたのは課題曲3番だった。
 惜しかった。2には間に合わなかった。
 休憩のとき、知り合いに聞いたら2番はいい演奏だったらしい。本校OBもそう言ってので、こんど来てもらって、どこをどうすればいいか教えてもらおう。
 後半はリード先生の特集。
 落語で「柳田格之進」「妾馬」という演目を見かけると、なんとか聞きにいけないものか策略を練るのだが、吹奏楽では「春の猟犬」がそれに匹敵するくらい好きで、何回か生演奏を聴いている。
 東京佼成さんのは初めてで、楽しみにしていた。
 さすがの音色、安定の曲作りだった。
 正指揮者になられた大井剛史の指揮は、ものすごくわかりやすく、指揮法的にも勉強になる。
 ただ、百戦錬磨のメンバーの方々はどうなのだろう、とも少し思う。
 そう思うと、全体から感じられる躍動感みたいなのが、昔に比べると少し物足りないようにも聞こえたが、おれごときが言うことではないか。
 それにしても、課題曲とリード先生特集のプログラムにしては空席が目立ったが、どうしたのだろう。
 オケにくらべたら、ほんとに数少ないプロの吹奏楽団の演奏会がこんな集客で大丈夫なのだろうか。
 一方で、吹奏楽コンクールの全国大会などはキップが手に入らないくらいの盛況だ。不思議なジャンルだ。
 音楽に無縁だった男どもに、無理矢理楽器をもたせてトレーニングし、卒業後も楽器を続ける若者を育て続けてる自分て、吹奏楽というジャンルからもっと感謝されてもいいんじゃないかな、って思った。

コメント
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