学年だより「恋はデジャ・ブ(1)」
「デジャ・ブ」はもともとフランス語「déjà vu」で、英語でもそのまま「deja vu」という。あえて英訳すれば「already seen」。「一度見た景色」「既視感」という意味だ。
1993年に公開されたアメリカ映画「恋はデジャ・ブ」の原題は「グラウンドホッグデー」という。 「土もぐら(グラウンドホッグ)の日」。
アメリカ・ペンシルバニア州では、毎年2月2日に「グラウンドホッグデー」という伝統行事が行われる。土の中から顔を出したグラウンドホッグが、自分の影を見て再び冬眠を続けようとするか、目を開けるかを見て、春の到来を占うお祭りの日だ。
日本で言えば「啓蟄(けいちつ)」にあたるだろう(知ってる?)。
気象予報士フィル・コナーズは、女性プロデューサーのリタとともに、グラウンドホッグデーを取材するため、ペンシルベニア州のパンクスタウニーを訪れた。
かれこれ四度目になる取材だが、フィルにとって、この人口数千人の田舎街の行事は退屈きわまりなく、身の入る仕事ではなかった。
前泊して、朝ホテルで目を覚ます。
2月2日。6:00になる目覚まし時計。ラジオから流れる声。「今日も寒いね」「午後から吹雪だって」「でも、みんなの顔は明るいよ」「なんてったって今日は、グラウンドホッグデーだ!」 … 。
身支度をして食堂へ向かう、「モーニング、サー」「いってらっしゃい!」
街に出ると、浮浪者から金を恵んでくれと声をかけられる。それを避けて水たまりにはまる。Shit!
祭りのメイン会場に着くと、リタがカメラマンを従えて待機している。キューが出される。
「今朝は、パンクスタウニーからお送りします … 」
「ねえ、フィル。もう少し笑顔でレポートできないの?」リタからのダメだしをまともに取り合わず、帰り支度をするフィル。
なんでスター予報士のおれが、こんな田舎でちまちまレポーターをしなきゃならいんだ … 。
三人で帰路につくが、天候が急変し、吹雪のせいで一本道が通行止めになってしまった。
しかたなく、パンクスタウニーにもどり、もう一泊することとなった。
翌日の朝。
6:00になる目覚まし時計。ラジオから流れる声。「今日も寒いね」「午後から吹雪だって」「でも、みんなの顔は明るいよ」「なんてったって今日は、グラウンドホッグデーだ!」 … 。
なんか違和感がある。
身支度をして食堂へ向かう、「モーニング、サー」「いってらっしゃい!」
え? 昨日と同じ? デジャ・ブ?
街に出ると、浮浪者から金を恵んでくれと声をかけられる。それを避けて水たまりにはまる。shit!
祭りの会場に着くと、リタがカメラマンを従えて待機している。
「リタ、なぜ二日連続で祭りをやってるんだ?」
「何言ってるの? 今日は2月2日よ。さ、カメラ回すわよ」
「ちょっと待ってくれ!」「笑顔でお願いね!」
フィルはわけがわからないまま、しぶしぶ二回目のレポートを始める。「今朝はパンクス … 」。