学年だより「努力は報われない?(2)」
「努力は必ず報われるとは限らない、そんなのわかってます」と、高橋さんは言う。
たしかにそうだろう。努力したからといって、必ず「神7」に入れるものはない。
みんながみんな写真集を出せるわけではないし、映画やドラマの主役に抜擢されることはない。
~ 私は、入って1年ぐらいの時にあることに気づきました。「私はこのグループでは、1番にはなれない」ということです。同期には前田敦子がいました。次の期には大島優子がいました。みんなすごくて、カリスマ性があって、絶対的人気があって。
私は歌手になりたくて芸能界を目指しました。たくさんオーディションに落ちました。そして受かったのがAKB48でした。歌手になりたいけど、アイドルになりました。
カワイイとか、アイドルとか全然分からなくて。どうすれば人気がでるのかも分からなくて。
でも、このグループがすごく好きになったから、すごく頑張りたいなって思って。
気付いたらキャプテンになって、総監督になっていました。 ~
ひょっとしたら、高橋さんの言葉が伝わらないメンバーもいるかもしれない。
「あたしは、あそこまで可愛くないから」とか、「あの先輩はついてるから」とか、責任を自分の努力以外に求めてしまうメンバーがいたとしたら、高みなさんの言葉がすうっとは入っていかないかもしれない。
逆に、容姿や、歌・ダンスの技量にそれほど卓越したものがなくても、素直に努力を続けられるメンバーは、なんらかの形で報われるのではないか。
努力は報われないことはない。その「報われ方」が人それぞれなのだ。
表面的には、全く報われてないような状態に見えることも多々ある。
こんな結果になるなら、努力しなかった方がよかったんじゃないか、と。
しかし、努力したあとには「何か」が残る。むしろ形のない「何か」が大切だと言える。
高橋みなみさんは、「今年は一位になりたい」と宣言して、頑張って、4位に終わった。
その彼女の言葉を、他のメンバーがどれだけ本気で聞いていたか。ファンの人たちをどれだけ勇気づけたか。彼女が自ら手に入れた「人望」であり「信頼」だ。
それを思えば、総選挙一位とか、ソロCD発売とか、主演ドラマ決定とか、難関大学合格とか、関東大会出場とか、大金持ちとか、社会的地位とかのわかりやすい結果以上に、大切なものを彼女は手に入れている。
~ みんな目標があると思うし夢があると思うんだけど、その頑張りがいつ報われるとかいつ評価されるのかとかわからないんだよ。
わからない道を歩き続けなきゃいけないの。きついけどさ、誰も見ていないとか思わないで欲しいんです。絶対ね、ファンの人は見ててくれる。これだけは、私はAKB人生で一番言い切れることです。だから、あきらめないでね。 ~