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アメリカから<自由>が消える 堤未果

ベストセラーとなった「ルポ・貧困大国アメリカ」の著者による「9.11後」のアメリカの「テロとの戦争に名を借りた言論統制や監視の強化」の実相を伝えるルポ。著者の本は「ルポ…」「ルポ…2」に次いで3冊目だが、数多くのインタビューを材料に、それを著者の解説と意見でつないでストーリーを構築、明確なメッセージとして読ませるという、アメリカの新聞等でよく見られる手法は変わらない。アメリカの「貧困」「格差」を追いかけた前作と比べると、語られている内容自体はよく言われていることなので驚きはないが、オバマ大統領になって何が変わり何が変わっていないかが詳細に書かれているのが有難い。小浜大統領になって少しは改善しているのかと思ったが、全くそうでないことが判って驚いた。それから「見えない自由への脅威」に対する抵抗運動のようなものがこちらも「見えない」形で進行しているという最後のところの記述も大変面白かった。(「アメリカから<自由>が消える」堤未果、扶桑社)
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