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ネットの炎上力 蜷川真夫

独自のニュース・サイトを運営する会社の代表者によって書かれた本書。世の中により良いサービスを届けたいという理想と現実の葛藤のようなものが随所に感じられ、これまでに読んだIT解説の本とはかなり違う面白さがある本だ。題名に「炎上」という言葉が使われているが、内容は「炎上」と関係ある部分は一部で、多くはネット・ニュースにまつわる話題・事件についての幅広い解説となっている。ネット・ニュースのいろいろな事件の経緯が、書き込み・コメントをそのまま印刷したような形で再現する形式で紹介されているところもあり、その事件を追体験出来るように工夫されている。
 本書の内容については、そうしたネット・ニュースに関わるいろいろな事件を取り上げた部分も十分面白いのだが、本書で最も面白いのは、著者のこれまでの経験から語られるネットニュースという新しいビジネスモデルがビジネスとして成り立つようになるまでの苦労話の部分だ。読んでいると、著者の経験談の中にこそネット・ニュースの可能性のようなものが感じられる。(「ネットの炎上力)蜷川真夫、文春新書)
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