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坂本龍馬の10人の女と謎の信仰 平野貞夫

大河ドラマ放映による「龍馬本」の中の1冊。題名が面白いので読んでみた。最初のうちは「トンデモ本」の様相を呈していたが、読み進めるうちにそうでもないことが判ってきた。初心者向きの本ではないかもしれないが、この龍馬ブームの中での刊行ということで、初心者にも龍馬の足跡が追えるように判りやすく書かれているのが有難い。
本書では、大河ドラマでは今ひとつ良く判らない①落ちこぼれだった龍馬の突然の変貌 ②一介の脱藩浪人であった龍馬が何故各藩の要人らと会ったり交渉したりできたのか、という2つの謎について、著者自身の1つの見解がはっきり述べられている。本書の肝でもある「土佐の風土」と「妙見信仰」という2つのキーワードで語られるその考えが面白い。また、途中で登場する「天命のレセプター」という考え方には多少面食らうが、「天の配剤」という言葉に付随する「偶然性」というニュアンスを弱めた言葉と考えれば、それほど荒唐無稽な考え方ではないのかもしれない。龍馬ブームならではの本という気がして、面白かった。(「坂本龍馬の10人の女と謎の信仰」平野貞夫、幻冬舎新書)
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