goo

他人事 平山夢明

著者の本はこれで3冊目だと思うが、数年前に話題になった「横メルカトール…」は、こんな小説があったのかと驚いたのを記憶している。読んだ著者の本は全て短編集だが、1つの短編集のなかでも、好みにあう作品とそうでない作品の差が激しいというのが、これまでの2冊の共通した印象だった。本書も同様に、面白い作品と良くわけの判らない作品が混在している。ただし、それは作品の出来不出来とは全く関係ないことのようだ。「あとがき」の著者が「面白い」「傑作」と強調している作品はどこが面白いのか判らないし、逆にあとがきでさらりとしか触れていない作品の方が、断然面白かったりする。要するに好みの問題なのだろうが、作者自身も、全ての人に面白いと思ってもらおうとか、1人の人に全て面白いと思ってもらおうという気はないのだろう。そもそもこの本自体、他の人に勧めてよいものか大いに迷うところだ。(「他人事」平山夢明、集英社文庫)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )