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暴力団 溝口敦

ベストセラーの1位になっている新書。著者がまえがきで「怖いものみたさの読者大歓迎」と書いてある通り、私のような興味本位の一般的な読者が知りたいと思うようなことを丁寧に解説してくれているのが良い。こうした特殊な世界の解説を書く場合、対象に近づかなければ本当のところが書けないし、余り近づきすぎても公平性を欠いた内容になってしまう。たいていの本はそのあたりの匙加減の難しさを感じてしまうことが多いのだが、本書は何故かそのような葛藤をほとんど感じさせない自然な書き方になっているのがすごい。内容では、世界各国の犯罪組織の凶悪性の比較、日本の最近の潮流である「半グレ組織」の実態などが特に面白かった。(「暴力団」 溝口敦、新潮新書)

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