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舟を編む 三浦しをん

辞書を編纂する人の話。多くの書評で絶賛されている。そもそも書評を書く人は、ある意味何らかの形で、出版という世界の関係者である。従って、こうした同業に近い人の話であるとか、出版業界に関連したミステリーなどの書評は、傍目で見ていてどうしても甘くなり勝ちなき駕する。ブロードウェイのミュージカルで評判になった作品にダンサーの話とかが多い気がするのと同じようなものかもと思ったりする。話の内容は、書評で絶賛されているほどには感動する場面もなく、何か所かいいなぁと思う場面もあったが、総じて無難にまとめてあるといった印象だ。著者には、「職業シリーズ」というのがあり、目立たない職業人の話を興味深く読ませてくれるということ。本書もそうだが、目の付けどころが良いことは確かだ。(「舟を編む」 三浦しをん、光文社)

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