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想い雲 高田都

女料理人を中心とする江戸下町の人々の暮らしと料理の薀蓄を柱とする人情話を綴った「みをつくし」シリーズの第3弾。様々な苦境を自分の料理の腕と頑張りで乗り切る主人公の姿を温かく描いた読み物で、主人公の奮闘振り、成長振りに一喜一憂できて楽しめる。1つ1つの話は面白いし、主人公以外の人物への思い入れも強まってきて、次の展開に対する期待感も膨らんでくるのだが、やはり3冊目ともなると、話として少しマンネリ感がでてくるし、読む側としても新鮮味が感じられなくなってきてしまう。シリーズものとしては、次あたりが転機というか、何か大きな展開が期待されるところだろう。(「想い雲」 高田都、ハルキ文庫)

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