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謎007 桜庭一樹選

東日本大震災以降、何故か桜庭一樹の小説を読む気持にならなくなってしまったというようなことを以前書いたが、未だに彼女の本が2冊読めずに積んである。そうはいっても、別に作品に飽きたとか、面白くなくなったということではないのは確かで、今でもやはり一番気になる作家の1人であることは変わりない。「桜庭一樹選」という本書を見たときは迷わずに入手したし、他に何十冊も読む本があるのに本書を最優先で読んだことからも判る。本書を読んでいると、いかにも選者が好きそうな作品だなとか、こういうのが好みなのかという具合に、どうしても選者と作品の関係という目線でばかり読んでしまっているのに気づく。そうした眼で見すぎたせいかもしれないが、内容としては、予想以上に地味な作品というかオーソドックスな作品が並んでいて、選者の個性のようなものが感じられなかったという感じがしてしまった。(「謎007」 桜庭一樹選、講談社文庫)

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