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ランチのアッコちゃん 柚木麻子

本書も本屋大賞ノミネート作品ということで読んでみた。体裁はごく普通の「お仕事小説」のような感じで、内容的にも全く肩肘の張らない「お仕事小説」なのだが、読んでいると、なんだかそれだけではないようなえもいわれぬ面白さを感じた。語り手のOLと主人公の「アッコちゃん」の両方が大変魅力的で、ストーリーも面白い。その面白さの中に「仕事とはこうあるべき」、「人付き合いとはこうあるべき」という教訓のようなものがさりげなく提示されている。収録された4編のうち2編が同じ語り手と「アッコちゃん」の話で、残りの2編にはその2人がちょっとだけ登場するという構成も面白い。良い意味で軽い小説だが、色々考えさせられてしまう傑作だと思った。(「ランチのアッコちゃん」 柚木麻子、双葉社)

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