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珈琲店タレーランの事件簿3 岡崎琢磨

これも新刊が出ていると思わず入手してしまうシリーズの1つ。自分の中では、そうしたつい買ってしまうシリーズのなかでも、印象の深さから言って比較的上位に位置するシリーズだ。というのも、このシリーズがまだ3巻目ということに少しびっくりした。何だかもう少し読んでいる気がしたからだ。感覚的には5冊目くらいかなと思ったので、本屋さんで思わず奥付で刊行された日付を確認してしまったほどだ。話の内容は、バリスタのコンテストを巡るいざこざで、事件が小さいので、興味を持続させることが少し難しかった。リアリティのない殺人事件などではなく「日常の小さな謎を解く」というスタイルのミステリーは今の流行のような気がするが、あまりにも事件が小さいと、緻密な推理を披露されても白けてしまう。本書もややそうした傾向が無きにしも非ずだが、その難点を除けば、なかなか面白い作品だった。次の作品にはもう少しドラマチックな内容を期待したいところだ。(「珈琲店タレーランの事件簿3」 岡崎琢磨、宝島社文庫)

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