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漢方小説 中島たい子

エッセイのような語り口が特徴の中編小説。突然の体調不良に見舞われた主人公が、西洋医学に見放された後、「漢方」という道の世界を少しずつ体験しながら、色々なことを考え、学んでいくという内容だ。話の中に色々なメッセージが込められているように思われるが、最も印象に残ったのは「自分の変化を自然に受け入れること」というメッセージだ。精神面、健康面で少し大きな岐路に立った時、この言葉を思い出すことで少し元気づけられるような気がする。文庫本なのに文字の周りの余白がかなり大きくやや読みにくいのが難点と言えば難点だが、内容に関しては程良いメッセージ性、程良いユーモアで、読んでいて大変楽しい1冊だった。(「漢方小説」 中島たい子、集英社文庫)


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