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お経のひみつ 島田裕巳

著者による仏教に関する解説本は既に何冊か読んでいるが、本書は「お経」というものに焦点をあてて、かなり詳しく解説してくれている1冊。奈良にある有名なお寺、南都六宗のお寺は、お寺がお葬式に関わるようになる前のお寺であり、お墓はないし、お葬式も執り行わないという。確かにそういえばそうだなぁということで、色々な豆知識が満載だ。「般若心経」「法華経」となじみのあるお経の仏教史の中での位置づけなども、読んでいて大変ためになる。一般人としては、ここまで詳しい知識は必要ないというレベルの話も多いが、それを読んで心や記憶に残るものが大切だという、こうした啓蒙書のお手本のような1冊だと感じた。(「お経のひみつ」 島田裕巳、光文社新書)

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