goo

小林カツ代と栗原はるみ 阿古真理

本の雑誌の2015年ベスト10に新書として唯一ランクインしていた本署。見方によっては、本年の新書ベスト1ということにもなる。読んだ感想だが、これは確かに面白い。あらゆる記述が「なるほど」と感心してしまうほど内容が濃くて面白いのだ。史上初の料理研究家論というキャッチフレーズの通り、料理研究家の系譜を、社会における女性の役割の変化、家電製品の発達、食材の多様化、国際化など、様々な要因から説き起こしてくれている。同じ「料理」のそれぞれの料理家のレシピを比較することで、それぞれの考え方や基本の違いを浮き彫りにする手法等は、奇を衒ったものではないが非常に説得力がある。読み終えて、何冊か料理のレシピ本を買ってきて、自分で作ってみたくなった。そして次の日に、新しいフライパンを買いに行った。引退して時間ができたらいろいろ試してみようと思い、今から色々情報収集を始めたくなった。今年一番、自分自身に直接的な影響を与えた1冊かもしれない。(「小林カツ代と栗原はるみ」 阿古真理、新潮新書)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )