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幻想古書店で珈琲を2ー青薔薇の庭園へ 蒼月海里

シリーズものの第2作目。第1作目を読んだ感想として、物語になかなか入り込めなかったと書いたが、第1作目を読んでから日が浅かったせいか、今回は比較的すんなりと読むことができた。シリーズものを読むときは、読むタイミングも重要なのだと感じた。内容としては、題名の通り、幻想的な世界と現実の世界が錯綜していて、そのあたりが本書の面白いところなのだが、それに更に世界的に有名な小説の世界観が重なっている構造になっているのは、さすがに少し読者へのサービスが過剰なのではないかと感じた。特に、「不思議の国のアリス」の世界が重なっている一編は、自分の頭がこうしたファンタジーを楽しむには固くなりすぎてしまったからなのかもしれないが、上手くその世界をイメージできないまま読み終えてしまった。次の作品を読む気になるかどうかは微妙なところだが、本書の表紙のイラストがなかなか魅力的で、それをみるとまた次も手に取ってしまうような気もする。(「幻想古書店で珈琲をー青薔薇の庭園へ」 蒼月海里、ハルキ文庫)

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