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血の季節 小泉喜美子

書名も著者名も知らなかった本書だが、本屋さんで見つけて面白そうだったので読んでみることにした。著者自身によるあとがきを読むと、最初の小説を書いてから第2作目を完成させるまでに10年、それから第3作目である本書の完成までにさらに8年を費やしたとある。これだけ寡作だとなかなかファンも出来ないだろうし、自分が知らなかったのも無理のないことかなぁと思ってしまった。読んでみると、結構オーソドックスなホラー小説だったが、さすがに長い時間をかけただけあって、緻密な構成で完成度の高い作品を読んでいるという感覚が湧きおこってきた。長く復刻版が待たれた幻の名作という帯のキャッチフレーズがよく分かる気がした。(「血の季節」 小泉喜美子、宝島社文庫)

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