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爆発的進化論 更科功
「爆発的進化論」と言えばすぐにカンブリア紀大爆発、バージェス頁岩等を思い出す。本の帯にも「目の進化」といった言葉が書かれていて、そのあたりの話が書かれていることは間違いない。一方、本書の副題は「1%の奇跡がヒトを作った」となっている。この2つの進化の「事件」にどういう関係があるのか、自分にとってはこの2つの関係はいわばミッシングリングであり、そのあたりに興味を持ちながら読み始めた。本書では、色々な視点から生物の進化について書かれている。本書の中の「ウイルスは無生物である」とか「エビは背中とお腹が逆」という記述には驚かされた。さらに読み進めていくと生物は「歩くために脚ができた」「地上で生活するために肺ができた」「飛ぶために翅が進化した」「脳が肥大化したので人間は直立歩行になった」というのは進化の順番からいうと全て逆だ、ということが書かれていて、それにも驚かされた。軽い読み物風だし、話の比喩も軽めだが、そこに書かれた世界の奥深さにびっくりさせられる一冊だ。直接人への進化についてはあまり書かれていないが、全てがそこに繋がっているいるという意味で何となく普段の疑問を解消してくれた気がする。(「爆発的進化論」 更科功、新潮新書)
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