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火のないところに煙は 芦沢央

著者のホラー小説は初めて読む。本書は、人が不可解な現象に対峙した時、因果応報的な理由を探りそれを知ることによって怪奇現象が鎮静するという考えを持つことの無意味さを描いた作品群だ。言われてみれば、怪奇現象にもそうなることの何らかの理由があるというのは自己矛盾だ。本書で描かれた事件は、何らかの理由づけをして一旦収まったかに見えて、その後に大きな不幸が待っているものばかり。究極のホラーという気がする。(「火のないところに煙は」 芦沢央、新潮社)

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