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物理学者のすごい思考法 橋本幸士

宇宙論の講義を聴き続けていて分からないことが多いので、解説書を読んでみたがそれでもやっぱり分からない。自分の基礎知識の無さが露呈してしまったが、何かそれだけではなく、宇宙論の講師や著者と自分の間に思考方法の違いがあって、それが自分の理解の妨げになっているのではないかと思い立ち、読んでみたのが本書。結論から言うと、メチャクチャ面白いし、理論物理学を専攻している学者たちの奇人ぶりは十分に了解できたのだが、自分との思考のギャップは依然として謎のまま残ってしまった。それというのも、この本の著者はコテコテの大阪人で、関西人のノリと自分とのギャップの方が大きかったからだと思われる。本書の中で特に面白かったのは、冒頭で語られるエスカレーターの片側を空けて乗ることによる渋滞を香港がどうやって解消したかという「エスカレーター問題の解」、小学校1年で習う漢字と重力法則の意外な関係の話、アインシュタインや湯川秀樹博士が使用した黒板の話など。当初の目的は達せられなかったが、それ以上に収穫があった気がする。(「物理学者のすごい思考法」 橋本幸士、インターナショナル新書)
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