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オンライン講義 宇宙論14

今回のテーマは「物理学者がみる宇宙」ということで、講義形式の新しい知識の披露や習得ではなく、質疑応答をしながら物理学者の関心事や思考パターンを汲み取っていくことに主眼をおいた内容。物理学者になったということはそもそも物理学者になりたいという似通った意思があったはずだし、1つの学問を勉強しているうちに自ずとその学問独特の考え方やものの見方が備わっていくはずで、そこに何らかの似たような性向が生じるのは当然といえば当然。問題はそれをそのグループの構成員が自覚しているかどうか、一般の感覚から極端にずれてしまっていないかどうかだが、今回の話を聞く限りはその辺りのグループとしての特殊性をちゃんと特殊性として自覚しているようだし、グループ構成員が危惧するほどには一般感覚からずれていないことも確認できた気がする。こうした事実は、学ぶ側の人間にとって、教える側との認識の共有や意思疎通が可能という意味で意義のあることだ。色々面白い話が聞けたが、特に面白かったのは、物理学者同士で「炎」について雑談したというエピソード。「炎」については解明されていないことが多いのだそうだが、生物の定義を「子孫を残す」「外部と内部の境界がある」「代謝がある」「酸素が必要」とすると「炎は生物」という結論になるという話で盛り上がったとのこと。奇抜さやオリジナリティを好み、論理を組み立てる明晰さをアピールする、子どものような無邪気さを持ち続けているというと褒めすぎかもしれないが、物理学者の性向がよくわかるエピソードだった。
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