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妻は、くノ一 風野真知雄

10年くらい前に友人が面白かったと言うので買っておいた本。ネットで注文した本が届くのが明日になるというので、未読の棚から一晩で読めそうな薄い本を探して本書を読むことにした。著者の他の作風や題名から「くノ一」の妻が陰で夫を助けて活躍する軽い感じのミステリーを想像したが、読んでみるとやや印象と違った。謎解き要素で味付けされた時代小説であることは間違いないが、重苦しくない程度に幕藩体制の危うさとか時代の微妙な移り変わりを感じさせる要素をストーリーに織り込んだ内容で、さらにそれになかなか主人公の夫婦が再開できずにハラハラする「すれ違い物語」という要素も。話はキリのよいところで終わらせるという気が全くない感じで突然次巻へ続く。人気シリーズとは言えかなり昔の本なので第2巻以降を今もちゃんと買えるか少し心配になった。(「妻は、くノ一」 風野真知雄、角川文庫)
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