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星影の女 風野真知雄

先日読み始めた謎解き要素のある時代小説「妻はくノ一」シリーズの第2弾。10年近く積ん読だった第1作目を読んだあと、第2巻目以降が手に入るかどうか心配だったが、絶版になっていなくてちゃんとネットで入手できたのは、本シリーズが今でも人気があるからだと思われる。10年経っても古臭くならないのは時代小説の強みかもしれない。本作も前作同様、短編、登場人物少な目、謎も簡潔でスッキリ、という読みやすさの三拍子が揃っているし、どぎつい場面があまりなくて静かに読める。午後8時台の1時間TVドラマを観るような感じ、あるいは今の若者が電車内でスマホで配信ドラマを観るのと同じような感覚で、中高年層が電車の中とか寝る前の小一時間に楽しむのにちょうど良いといったところだろう。このシリーズのもう一つの要素「すれ違い物語」の方はちょっと進展したが、まだまだ先は長そう。(「星影の女」 風野真知雄、角川文庫)
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