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無垢の傷痕 麻見和史

著者の本はこれで2冊目。最初に読んだ作品もそうだったが、著者の作品を読むとTVの一時間ものの刑事ドラマの概略を読んでいるような気がする。もちろん順序が逆で、まず本書のような小説がありそれを原作とするドラマが作られているのだろうが、テンポの良さ、適当な数の登場人物、謎の適度な複雑さなど、ここまでTVドラマ化に向いた小説を読むと、どうしても著者自身がTVドラマ化を意識しているだろうと思ってしまう。小説で読むと20〜30分で短編ひとつ読み終わるので、ある意味TVを一時間観るよりも効率的だし面白いという感じだ。最近刑事もののTVドラマをほとんど見なくなってしまったが、本書を読むと、原作のある刑事ものはやはり原作に限るという気持ちが強くなった気がした。(「無垢の傷痕」 麻見和史、双葉文庫)
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