かつて、むかしですが、国会の証人喚問の場において、手が震えて署名できない大企業の経営者がいたのを覚えている。だが、佐川氏の手は震えていなかった。一介の高級官僚だが。
かつて「記憶にありません」という言葉も、居並ぶ証言者たちは苦しいゆがんだ顔で発していた。今、一介の元総理秘書官が涼しい顔をして、「記憶のたどる範囲で・・・」と言い放つ。
あの時と同じ場所、国権の最高機関の国会という場においてでさえ、学習を経た人間とはこうも自信ありげに成れるものなのだろうか。いや、何かがあの時代と変わってしまったのだ。
国会議員たちの誇りの根源である国会という場、それ自体の権威が行政府の長に忖度する官僚に貶められ、舐められていることに全く気づいていない。それを政権与党として許容する自民党という政党はもうだめなのかもしれない。
ふと、この本を読んでいたら思いました。(手が震えて書けなかったのはダグラス・グラマン事件だそうですが!)