今日という日は、連合国の出した「ポツダム宣言」に対して、時の老宰相が記者会見で、「帝国政府として…なんら重大な価値あるものに非ずしてこれを黙殺するとともに、断固戦争完遂に邁進するのみ…」と云った日である。
国家の首相として、いくら78歳の老体とはいえ、鈴木貫太郎は、驚くほど無能で、愚劣な回答であった。それから、翌8月6日には広島に原爆が投下され、8月8日はソ連が参戦し、8月9日には長崎に原爆が落とされた。
これほどの犠牲を伴った言葉の失敗はないだろう。この「ポツダム宣言」を27日に受け取ってからの政府の反応の悪さにはただ驚くばかりである。
『木戸幸一日記』では、7月31日に、天皇が三種神器をどこで守るかを政府内で決めてくれと云っていた。それから、淡々と時は過ぎ、8月7日正午に広島に米国は原子爆弾を使用、死傷13万人との報告を受く、と記載されている。
政府も、軍部も、宮中も、ただ一人の人の決断を待っていただけ。終われば、それを聖断と歴史に書いていく。こういう国だったことを考えて欲しい。それが教育勅語の国だったことも解って欲しい。どうも今の宰相は解っていないようだから。