一九九五年、前年に八党の寄せ集めの細川連立政権はその継ぎ接ぎが破れて崩壊し、55年体制の両主役だった自社政権ができていた。
奇天烈だが、既得権の固守で一致していた。だが、この年は大きな断崖となった。
阪神大震災とサリン事件があった。
突如、社会党の先祖帰りか「村山談話」が飛び出した。
その反動で自民党のどす黒い国家主義が蠢きだした。この世襲者たちは半世紀前の国体への幻想に向かい始めた。
人々は一向に気づかず、毎日を気儘に過ごし、敗戦でもらった西洋型民主主義を大切にせず、それを維持する現実の政治を疎かにした。
寧ろ政治を汚いものとして粗末に扱ってきた。そのツケが今押し寄せている、…。
コロナ禍にあって、病気だと政権を投げ出し、その後任はメモで喋る欲望老人。国会で平気で嘘をつく佞官たち。
人々に試練が与えられたのかもしれない。
この際、次の選挙では、誰がこの国の本当の担い手なのかを教えなければ、欲望の塊を駆除できないだろう。