玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

貴種という政治

2021-03-25 11:01:43 | 近現代史

貴種といえば、源氏嫡流。鎌倉幕府の源氏は三代で途絶えた。

ところで、細川連立政権は1993年に55年体制をともかく一回止めた。但し、一年持たず僅か263日であった。

この時の連立前の各党の衆議員数は、社会70、新生55、公明51、日本新党35、民社15、さきがけ13、等の順だった。しかし、連立政権は、第4党の日本新党から首相が出た。

小党乱立の烏合では、貴種の血を持つ細川護熙しか首相は勤まらなかったのではないか。しかし、政権は瞬く間に社会党や武村等の権力闘争で脆くも瓦解した。

それから16年後の2009年にやっと政権交代をして、民主党政権が生まれた。初代首相の鳩山由紀夫も一年持たず266日だった。

細川家は足利幕府以来の武門と近衛家の血を持つ日本有数の名家であり、鳩山も祖父が戦前戦後の大政治家の血統を持つ。

結局二人の貴種は先鞭をつけただけだった。あっさり権力を手放すのも、この二人の共通項であろう。

鳩山は議員も辞めた。細川も議員を辞めるつもりだったらしい。

当時の細川首相に仕えた石原信雄官房副長官は「…殿様の意地、見栄でしょうね。…短命で終わる内閣ではなかったのに」と悔しがった。

余談だが、石原は長く官邸を支えた自治官僚であるが、不運なのか、1995年の都知事選で選挙運動を全くしないタレントの青島幸男に敗れた。貴種とはタレントのようなモノなのか?うーん、違うな。

【参照文献:細川護熙『内訟録』、孫崎享『戦後史の正体』、石川真澄『戦後政治史』】

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