玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

「四方の海」(後)

2021-12-29 18:58:32 | 近現代史

昭和天皇は1901年生まれだから40歳かも、木戸は1889年生まれだから52歳かな。

二人ともまだ生臭い年齢であると思う。

この御前会議の日の午前中に、突然、天皇は木戸に「会議で質問したい」といった。

木戸は質問は原枢相がやることになっているので、「今回の決定は国運を賭しての戦争ともなるべき重大な決定なれば、統帥部に於ても外交工作の成功を齎すべく…御警告を被遊ことが最も可然か」と奉答した。(『木戸幸一日記(下)』905頁)

私はこの和歌には意味がさほどないと思う。木戸によって天皇が軍部と直接対立することを避け、木戸が亡き西園寺公の代わりにたしなめたのだと思う。木戸と相計ってこの和歌を詠んだと思う。

最後に、半藤一利は「天皇は之で自分の気持ちはが伝わったと思ったんでしょうね、…。ところが東条は必ずしもわからなかった」と語っています。(『「昭和天皇実録」の謎を解く』158頁)

『木戸日記』と『杉山メモ』は「四方の海」と書いてあるんです。まあ、武骨だこと!。

―四方の海皆同胞と思ふ代になどあだ波の立ち騒ぐらむ―

 

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