玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

森功『国商』を読んで (その9)

2024-08-23 10:03:45 | 

葛西敬之という男はどこにでも居るような分かりやすい野心家に見える。彼の経歴を見て、多分葬儀は二か所でやったと思ったが、確かにJR東海の本社のある名古屋と彼の住居のあった東京で行われている。

彼は東京都立西高から東大に入り、国鉄に勤めた。本当は、彼はJR東日本の社長になりたかったのではないだろうか。

その野望が彼を政界にも手を伸ばす動機となったと思っている。

葛西は東大の同級生から首相を出そうと与謝野馨を担いで、一部財界人の「四季の会」を造ったそうだ。そこに、与謝野が若い安倍を連れてきたのが二人の関係の始まりだと云うことだ。

葛西は学歴と血統を重んじた。与謝野馨、安倍晋三、然り、しかし、JR東日本の社長となった松田昌士は東大ではなく北大だった。彼には不満だったはずだ。

国鉄を六つに分割した。本州の三つはイイだろうが、島(九州・北海道・四国)の三つは大変だ。現実に北海道と四国の現在の惨状を見れば明らかである。

東海道新幹線があって、居ながらにして儲かるJR東海は、原発の電力を頼るリニアに賭けて、弱小の地方JR路線への援助を考えていない。

此処に彼の性格や思考の新自由主義の一面を垣間見る。


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