玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

2時間43分の演説

2018-07-21 23:19:34 | 時事

日経の朝刊に枝野氏の内閣不信任案の演説の長さが載っていた。中身は触れずに、長い演説の記録だとあった。それで、ネットで見ようとしたが、長すぎて途中で切れてしまう。やむを得ず、国会インターネット中継で見た。

保守政治の在り方、民主主義の基本を事細かに与党議員に向かって、まるで子供に教えるように丁寧に説いていた。プライドばかりの与党議員の反発を余計に招くだろう。現政治状況は、それ程差し迫った状況なのかもしれないが。彼は憲政史上最悪な国会審議であった、とも言った。まあ同感であるが、今後はもっと悪くなるのだろう。

戦前の斎藤隆夫の「粛軍演説」や濱田国松の「腹切問答」を思い浮かんだ。結果として、二人は日本の軍国化を早めてしまったような、・・・。ただし議員としての矜持を歴史に残したが。ところで、今回の枝野氏の保守主義や民主主義の講義や7つの不信任理由の演説はどこに向けたものなのだろうか。

無論、居並ぶ確信犯の安倍政権の閣僚でもないし、後ろに控える忖度団の官僚でもないし、空席の目立つ政権擁護団の自民党席でもないだろう。多分、スキャンダルしか騒がないメディアでもないだろう。事実、コラム程度の扱いであった。

たぶん、こうして2時間余りの演説でも聞く一部の国民に対して、自分の現にできることをやったまでのことだろう。そういう意味で、名演説であった。

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世代の溝

2018-07-18 13:31:04 | 

199011月、78日、元宮内省御用掛、寺崎英成の遺族に、1946年の昭和天皇の回想の記録(のちに『昭和天皇独白録』として文芸春秋社から刊行された。)が残されていたのをマスコミ各紙が一斉に報道した。昭和天皇は198817日に逝去されている。40年以上たって、本人が既にこの世に居なくなって、偶然に見つかった。ずっと隠されていたかのように都合よく見つかった訳である。

『文芸春秋』199012月号に『昭和天皇独白録』(以下、「独白録」という)に関する歴史家の座談会が載った。秦郁彦は「独白録」は東京裁判対策のために作成された、と言った。伊藤隆と児島襄は「独白録」は政治的性格を持たない単なる回顧録である、と評した。

昭和天皇独白録 (文春文庫)

2年後の1992年に、『昭和天皇の終戦史』岩波新書を著した吉田裕は、「独白録」は天皇の個人的な回顧録ではない、この時の天皇は紛れもなく一個の政治的主体として行動していた、と感じた。

以上4人の歴史学者の生まれた年を調べると、児島襄氏は1927年、伊藤隆・秦郁彦氏は1932年であった。吉田裕氏は1954年である。世代として20年の違い以上に、その間には、何か大きな溝や壁があるような気がしてならない。そろそろ、あの8月の暑く長い日がやって来る。

昭和天皇の終戦史 (岩波新書)

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文科省は晒し者

2018-07-12 10:49:17 | 時事

官僚は官邸を忖度しないで、時として自分の利益のために悪いことをする、という標本を世間に差し出した。子供の幸福を願わない親はいない。その感情を逆なでする事件として、森友・加計で鬱屈している東京地検の告発を許した?いや、させたのかもしれない。

森友・加計問題を薄めるための、官僚独自犯行論を実証する逮捕劇で、いつもの悪辣な印象操作ではないか。そんな気がする。また、そう想像させてしまう現政権の印象でもある。

マスコミが騒ぎたい餌を与えた。反面、オウムの死刑執行と大災害時の非情時に、「赤坂自民亭」でのだらけた飲食に対してマスコミの喰い付きが悪い。マスコミこそ政権に忖度しているのか。この行きつく先は、戦前と同じになってしまう。

悪知恵ばかりの現政権。これほど国民をバカにし、騙し続ける政権は今までになかった。そういう意味で憲政史上に永く名を残す政権であることはまちがいない。

 

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うかつ者たちの宴

2018-07-11 17:32:45 | ブツブツ

あれだけの重大な死刑執行しておきながら、それを決定した法務大臣と大方針を定めた総理大臣を囲んで、何やら目的のわからない宴をやったとか。

未曽有の大災害が起こるというのに、宴会中止の決断もできない、うかつな者たちに何を期待できるのだろうか。外遊をやめたのが、かろうじての政治判断であった。もし行けば政権の命とりになっていただろう。

「どんな批判も受ける」と言った故竹下首相の弟の亘氏は、国対委員長の時には「総理を侮辱した」として籠池氏を証人喚問に進めたお方である。ただ愚劣な威勢ばかりの言葉を発する人だね。

この方も政治を家業とする人だ。自民党は老舗のお坊ちゃまばかりだ。こんな人たちがこの国の将来を背負うというのか?もっとも、自民党よりも議員の身分に固執するあざとい野党の議員たちの方が問題だが。この國の政治はどうしたものか?

たった一人の宴、この方が気楽だぜ。


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さびしい教育だね

2018-07-09 13:36:57 | 時事

実に皮肉なものだ。「ゆとり教育」という名でのもとで能力別教育への差別化を推進した文科省の官僚が、その子弟が能力差を克服できなかったので、親として子の幸福を祈って、裏口入学で勝ち組グループに入らせようとした。

やっていることが実に哀しく、せこい。またその仕組みはABE氏と同じだ。ただし結果は、官僚は子弟の利益となるが、ABE氏は迂回して政治的な利益を得る。その本質は、公的な補助金を恣意的に特定の者に供与することにつながる。

官僚は警察につかまって、宰相は官憲を統制している。その違いなのだろうか。どうも庶民には、その不公平な官憲の態度を呑みこめないでいる。

一枚の壁が連続して高層ビルになるのかな。


ヨコハマ・みなとみらい地区

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