虹を架ける王妃
結構長いドラマでしたーー
でも、本当に「純愛」ストーリーになってました
っていうか、よくぞここまで純愛ストーリーに仕立て上げたなあ・・・というか
いや、実在の夫妻が仲が悪かったという話は聞いておりませんけど
色々な本を読んで李垠殿下に持った印象は「うつうつした人」だったので。
物語の中の人物のような人格者というイメージはなく、特に戦後はかなり
精神的に参って大変な状況だった・・・と記憶しています
彼が根っからの韓国人であったとしたなら(いやそうですけど)
政略結婚だった方子妃との生活は、本当に純愛で押し通せたものなのか
複雑な思いを抱きつつ生活していたような印象があるんですけど。
それに比べて方子妃は腹が据わってるというか、プラス思考の方というか
しょっちゅう落ち込んでは機嫌の悪い夫を支え続けた妻というイメージが
あります
ともあれ、ドラマとしてはよく出来ていたのではないでしょうか?
歴史の勉強としてもわかりやすい部分が多かったし、これを機会に
興味を持つ人もいるかもしれませんし
菅野美穂の方子妃殿下は非常におっとりとして、清楚でした。
言葉遣いにも違和感がなかったし、衣装もよく似合っていました
対する岡田准一も寡黙な皇太子を好演していました
台詞も少ないし、無表情で通さないといけない部分も多かったので
大変だったろうなーーと思いつつ、「木更津キャッツアイ」以降
演技的に本当に成長したなーーーと
(作品は役者を作る・・・ですねっ)
確かに二人の演技にはリアリティはなかったと思うんです
理解出来ないと思いますよ あの当時のメンタリティ。
しょうがないから素直に演じるしかなかったんだろうな・・・と思います。
でも、唯一あのドラマにリアリティを与えた人がいます。
それはナレーションの森光子さん
さすがに昭和の生き字引のような彼女のナレーションは素晴らしかった。
でも
昭和20年から昭和63年まで時間が一足飛びに流れすぎっ
二人の夫婦の物語はむしろ戦後に始まる部分が大きかったというのに。
韓国への配慮なんでしょうかねーー
戦後、帰国したかったのに、国民は李垠殿下を受け入れなかったんですよね。
昨日も書いたように、臣籍降下しても元皇族の扱いさえされずに
あっという間に一文無し状態?
それから次男の玖氏は一時行方不明になっていた事があったような・・
亡くなったのは最近のことですよね
方子妃は夫が亡くなっても韓国に残り、福祉活動に従事し、一生を
韓国人として暮らしていた・・・亡くなった時は「韓国の母」と呼ばれたんですよね。
最近、李王室復権の兆しがあり、王の血を引く女の子が女優デビューしました。
彼女の実家もかなりの資産家のようですが
そういう意味では、戦前から180度生活が変わってしまった方子妃の
苦労がわかるというものです
韓国への配慮なのか、長男晋殿下の死については「いまだはっきりせず」と
ナレーションで言われていましたが、毒殺されたのは明らかなことです。
確か方子妃自身も昔、テレビでそうおっしゃっていたような気がします。
結婚式の時の爆弾事件は初めて知りましたけど・・・・
李殿下が長い間韓国の地を踏むことが出来なかったのは、日本が悪いという
感じですけど、受け入れなかった国にも責任があるのでは・・・
そういう事実をきっちり描いてこそのドラマではあると思うんですが。
(あちらで作ったドラマだったら、それこそめちゃくちゃに日本を悪者に
していたでしょうしねーー決して配慮なんかしませんのに)
まあとにかく、複雑な国の事情に配慮しつつ、しっかりした純愛物語に
した意欲は確かに買える作品でした。